教えて!恋愛の女神様
(翔太にもらったお笑い芸人のライブチケットの一枚、灯ちゃんにもらってもらおう!)
優しくて話題が豊富で明るい彼女。一緒に行ったら、きっと楽しめるに違いないと思った。
 バイト先に着き更衣室に入ると、すでに灯は来ていた。彼女はエプロンをしているところだった。
「こんばんわ、知佳ちゃん」
「こんばんわ、灯ちゃん。今日は早いね」
「そんな事ないよ、五分前に来たばかりだもん。いつもは知佳ちゃんの方が早いじゃない」
「前に遅刻して店長にすっごい怒られたからね。怒られないように気を付けているんだ」
「えらーい!私も見習おう」
私と灯はアハハ!と笑った。ますますハッピーになった。
「そうだ、灯ちゃん。今週の土、日って忙しい?」
「ううん、今週はヒマ。夜はバイト入っているけど、日中はフリーだよ。提出物も無いし。あんまりにもヒマだから、誰かを誘って映画でも見に行こうかと思っていたくらいだもん」
「ねえ、よかったら学際行かない?」
「学際?どこの?」
「C大の」
「C大?へぇー、C大の学際ってこんな早い時期にやるんだ。……って言うか、友達でC大に通っている人いるの?」
「うん。知り合いの弟がね。なんでも彼の友達が実行委員やっていて、メインイベントとして呼んだお笑い芸人のライブチケットをノルマ制でさばかなきゃならないんだって。それで手助けに買ったんだって」
「知佳ちゃん、それ買わされたの?」
「ううん。彼、お金持ちだからくれたの」
「わぁー、ラッキーだね!」
「うん!」
『ヒドイ事をされたおわびにもらった』とは、とても言えなかった。
「C大かぁー。私、C大に通いたいと思った事あったんだけど、レベル高すぎて受験さえできなかったんだ。せっかくだから空気くらい味わいに行ってみようかな」
「やった!じゃ、いつ行く?」
「そうだなー。日曜日にしようかな」
「いいね。何時に行く?ライブは……二回あって、一回目が午後二時、次が午後四時スタートだよ」
「そうだなぁ、じゃ、午前十時半にうちの大学の正門前に集合しようか。午後十時三十二分発の便があったと思うんだ。たぶんC大まで行くのに、バスで一時間はかかると思うんだ。着いたら十一時三十分頃だから、ちょうどお昼を食べるのにいいと思うんだ」





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