教えて!恋愛の女神様
「へっ?」
「そうしたら、貸しは無しにするよ」
裕矢の提案にびっくりして顔を上げると、私を真剣なまなざしで見ていた。あまりの真剣さに今あった嫌な事は、すべて吹き飛んでしまった。
「どう?」
「あの……」
「俺と会うのはイヤ?」
「い、いえ」
「じゃあ、デートしてくれるね?」
「……えっ、あ、はい」
「よかった!」
裕矢は嬉しそうに笑った。私はちょっと申し訳ない気がした。
(『デートしてくれる?』って言われた時、翔太君の顔がチラついちゃった……)
しかし私の思いに気づかない裕矢は、『今晩にでも連絡するから、行きたい場所考えておいて』と言い残し、図書館へ向かって行った。
 運命が私を引っ張るかのように、すごい勢いで動いている気がした。
(このまま、流されていいのかな…)


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