教えて!恋愛の女神様
「なんで?今までずっと仲良くしてきたじゃない」
「うん。でも……もう一緒にいたくないんだ」
「そうなの?」
「うん」
「たしかに、今日の彼女達はひどい事言っていたね。ただ、絶交するのはちょっと早くない?」
「早くないよ。だってここまで色々あったから。少しつず積み重なって、ドンッと来たんだ。今日だけが原因じゃない」
「そうなんだ。……わかった。ごめんね、辛い事聞いちゃって」
「ううん、大丈夫。そろそろこうなる気はしていたから。気にしないで」
私は強気なフリをして言った。そうでもしないと、泣き出してしまいそうだった。
 ふいに、元カレにフラれた時の事を思い出した。アミ達と別れ方が似ているからかもしれない。私は彼が体だけが目的だった事を知り、すごくショックだった。でも必死にすがればこれまで通り恋人として付き合っていける気がして、なりふり構わずすがった。あの時はショックと希望のごちゃまぜになった思いが胸の中で渦を巻き、大声で泣きたくても泣けなかった。
 泣いたのは、恋が二度と戻らないと知った時。最初はガマンしていたが、ちょっとしたきっかけで喉が裂けてしまいそうなほど大きな声で泣いた。
 とたん、涙がブワッとあふれてきた。元カレにフラれた時のように号泣しそうだった。
(ダメ、泣いちゃ。灯ちゃんには今日たくさん迷惑をかけたのに、また迷かけちゃう。イヤな思いをさせちゃう。……このままだと、灯ちゃんにまで嫌われちゃう。そんなのイヤ!)
私は奥歯をギリッとかみしめた。泣くのをガマンした。
「知佳ちゃん、どうかした?」
灯の優しさが心にしみる。やっぱり、すがりたくなった。
 すると、アイデアがひらめいた。私は思いに突き動かされるよう灯を見た。目にうっすらと溜まっていた涙は拭かなかった。
「灯ちゃん」
「何?」
「明日から仲間に入れてもらってもいい?講義の時、一緒に座ってもいい?お昼ごはん、一緒に食べてもいい?」
「えっ?う、うん。もちろん!」







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