教えて!恋愛の女神様
「やす子ちゃんや、ミサオちゃんは良いって言うかな?」
「うん。知佳ちゃんの事はいつも話しているし、たぶん……ううん、絶対大丈夫だと思う」
「本当?」
「うん。実はね……今日一緒にご飯食べて色々話したでしょ?やす子ちゃんもミサオちゃんも『すごく楽しかったね、また一緒にご飯食べたいね』って言っていたんだ」
「それは裕矢さんがいたからじゃなくて?」
「もちろん!みんな彼氏は欲しいけど、そこまで切羽つまっていないよ。純粋に知佳ちゃんとご飯食べたいだけだよ」
「よかった。なんか、嬉しい」
「私も!明日からもっと短大生活が楽しくなりそう!」
「私も!やす子ちゃんや、ミサオちゃんとたくさん仲良くなりたいな」
「今晩二人にメールしておくね」
「ありがとう!」
気が付けばさっきまで泣きそうだったのに、嘘のように笑っていた。作り笑顔ではなく心から笑っていた。まだまだ絶交した傷は癒えていないが、新しい、それも望ましい関係を築けそうでホッとした。
 特にトラブルもなく順調にバイトを終え自宅に着くと、ルンルンしてドアを開けた。
「おかえり」
「うわっ!」
突然暗闇の中から声が聞こえた。目を凝らせば誰かが立っているのが見えた。
「そんなに驚く事はなかろう」
暗闇に立っていた人は笑いながら右手の指をパチンと鳴らし、玄関の明りを付けた。もちろんその人はロマンス。今日も真っ赤な特攻服に身を包み、仁王立ちで立っていた。当然、私は大声を張り上げ怒鳴った。
「この前もそうやって待っていてケンカになったのに、またやっているんですか?」
「だって、出迎えたかったんだもん」
「だったら、せめて電気つけてくださいよ!びっくりするでしょ!」
「我が家も節電中なのだよ」
「信者を驚かしてまで節電する事ないでしょ!これは必要経費です!」
「まあまあ、そう怒るな。中に入って休もうではないか」





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