教えて!恋愛の女神様
すると急に素朴な疑問が浮かんだ。
「あのですね、ロマンス」
「なんだ?」
「ロマンスには他にも信者がいるんですよね?」
「ああいるが。それがどうした?」
「いやもしるなら、みんなと比べると私の成長具合はどうなのかと思いまして」
「よいか、知佳。成長は人と比べるものではない」
「えっ、そうなんですか?比べちゃダメなんですか?」
「ダメだ。比べてもいいのは過去の自分だ」
「へぇー」
「なぜなら他人とはスタート地点が違う。どんなに似ているように見えても一緒じゃない」
「なるほど」
「過去の自分より今の自分が成長しているならオッケーだ。胸を張って生きたらいい」
「はい、そうします!」
気分が良くなった私は鼻歌を歌いながら冷蔵庫の前へ行った。中からジュースを取り出せば、コップになみなみついで飲んだ。
この時、ロマンスがちょっと寂しそうにしていた事に気づかなかった。
翌朝。予定していた午前六時三十分より五分遅れで起きると、テキパキと身だしなみを整え朝食を作った。素早く食べ終えれば使った食器を洗い、化粧をし、髪をセットした。
時計を見れば、午前八時。一講目から講義があるが登校するにはまだ早い。
(灯ちゃん達と一緒に行動するんだと思うと嬉しくて、張り切りすぎたみたい……そうだ、『あの修行』でもするか)
急に思い立ち、スチールラックの中段に置いてあるケースを開けた。中には『私は男運が良い』とびっちり書かれたルーズリーフが入っている。そう、ロマンスに『一万回書け』と言われた修行の成果だ。
手に取ってまじまじと全体を眺めた。一行も空けず書いているが、文字によってきれいだったり汚かったりする。明らかに書き始めは丁寧だが、時間が経つごと面倒くさくなり字が汚い。そしてそれは他の用紙も同じだった。
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「あのですね、ロマンス」
「なんだ?」
「ロマンスには他にも信者がいるんですよね?」
「ああいるが。それがどうした?」
「いやもしるなら、みんなと比べると私の成長具合はどうなのかと思いまして」
「よいか、知佳。成長は人と比べるものではない」
「えっ、そうなんですか?比べちゃダメなんですか?」
「ダメだ。比べてもいいのは過去の自分だ」
「へぇー」
「なぜなら他人とはスタート地点が違う。どんなに似ているように見えても一緒じゃない」
「なるほど」
「過去の自分より今の自分が成長しているならオッケーだ。胸を張って生きたらいい」
「はい、そうします!」
気分が良くなった私は鼻歌を歌いながら冷蔵庫の前へ行った。中からジュースを取り出せば、コップになみなみついで飲んだ。
この時、ロマンスがちょっと寂しそうにしていた事に気づかなかった。
翌朝。予定していた午前六時三十分より五分遅れで起きると、テキパキと身だしなみを整え朝食を作った。素早く食べ終えれば使った食器を洗い、化粧をし、髪をセットした。
時計を見れば、午前八時。一講目から講義があるが登校するにはまだ早い。
(灯ちゃん達と一緒に行動するんだと思うと嬉しくて、張り切りすぎたみたい……そうだ、『あの修行』でもするか)
急に思い立ち、スチールラックの中段に置いてあるケースを開けた。中には『私は男運が良い』とびっちり書かれたルーズリーフが入っている。そう、ロマンスに『一万回書け』と言われた修行の成果だ。
手に取ってまじまじと全体を眺めた。一行も空けず書いているが、文字によってきれいだったり汚かったりする。明らかに書き始めは丁寧だが、時間が経つごと面倒くさくなり字が汚い。そしてそれは他の用紙も同じだった。
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