教えて!恋愛の女神様
そう、警察官は今井である。しかし、鉄平はまったくひるまない。それどころか、攻撃的なまなざしで見た。
「何って、元付き合っていた女に会いに来たんです」
「それにしては、ちょっと時間が遅すぎないかな?」
「相手はそろそろ二十歳になるんです。バイトだって十八過ぎたら午後十時以降働けるだろ。会いに来ても問題ないでしょ」
「それが残念ながら、このマンションの住民から苦情が来ててね。『誰かが執拗に玄関のチャイムを鳴らしたり、ドアを叩いてウルサくてしょうがない』と言うんだ」
「誰かが?あんた。それが俺だって言うのか?」
「全部の階を見てきたが、チャイムを鳴らしていたのは君だけだからね」
「……その電話、かけて来たのって女?」
鉄平の目がキラリと輝いた。今井は『来たな』と思った。
(私には『女』が『知佳』に聞こえましたよ)
今井はウオッホン!と咳払いをすると、負けじと鉄平をニラんだ。
「電話をかけてきたのは男性です」
「おっかしーなぁー。この階は女しか住んでいないはずだぜ。いくらチャイムの音がうるさいと言っても、上や下の階までは響かないだろ」
「ドアを叩く音は、響くんです。ちなみに電話をしてきたのは、下の階に住んでいる男性です」
「うさん臭いなぁ。本当は部屋の中に知佳がいて、あいつが電話してきたんじゃないの?」
ドアのそばで聞き耳を立てていた私は、一瞬ドキッとした。『バレた!』と思った。
「いいえ、こちらの部屋に住む女性ではありません」
「証拠は?俺、こいつの部屋に電気がついているのを確認してチャイムを鳴らしたりしているんだぜ。居留守を使っている可能性は十分ある」
「こちらの部屋にお住まいの住人の方がいるかどうかはわかりません。電気がついていても、消し忘れて出かけた可能性もありますし」
「だったら、あんたもチャイムを鳴らして確認してくれよ。もしかしたら、出てくるかもしれないだろ」
「それはできません。私は『ウルサイから追っ払って欲しい』と苦情が入って、ここに来たんです。悪行に加担する事はできません」
「何って、元付き合っていた女に会いに来たんです」
「それにしては、ちょっと時間が遅すぎないかな?」
「相手はそろそろ二十歳になるんです。バイトだって十八過ぎたら午後十時以降働けるだろ。会いに来ても問題ないでしょ」
「それが残念ながら、このマンションの住民から苦情が来ててね。『誰かが執拗に玄関のチャイムを鳴らしたり、ドアを叩いてウルサくてしょうがない』と言うんだ」
「誰かが?あんた。それが俺だって言うのか?」
「全部の階を見てきたが、チャイムを鳴らしていたのは君だけだからね」
「……その電話、かけて来たのって女?」
鉄平の目がキラリと輝いた。今井は『来たな』と思った。
(私には『女』が『知佳』に聞こえましたよ)
今井はウオッホン!と咳払いをすると、負けじと鉄平をニラんだ。
「電話をかけてきたのは男性です」
「おっかしーなぁー。この階は女しか住んでいないはずだぜ。いくらチャイムの音がうるさいと言っても、上や下の階までは響かないだろ」
「ドアを叩く音は、響くんです。ちなみに電話をしてきたのは、下の階に住んでいる男性です」
「うさん臭いなぁ。本当は部屋の中に知佳がいて、あいつが電話してきたんじゃないの?」
ドアのそばで聞き耳を立てていた私は、一瞬ドキッとした。『バレた!』と思った。
「いいえ、こちらの部屋に住む女性ではありません」
「証拠は?俺、こいつの部屋に電気がついているのを確認してチャイムを鳴らしたりしているんだぜ。居留守を使っている可能性は十分ある」
「こちらの部屋にお住まいの住人の方がいるかどうかはわかりません。電気がついていても、消し忘れて出かけた可能性もありますし」
「だったら、あんたもチャイムを鳴らして確認してくれよ。もしかしたら、出てくるかもしれないだろ」
「それはできません。私は『ウルサイから追っ払って欲しい』と苦情が入って、ここに来たんです。悪行に加担する事はできません」