教えて！恋愛の女神様

「エリカちゃん。もしかして、トラブルでも起きた？」
「そう。それも翔太のおかげでね」
「翔太のおかげ？」
「翔太ったら私と言う彼女がいるのに、この女を大事にしたの。彼女みたいに扱ったの」
「翔太！お前ってやつは……」
裕矢は翔太の服の襟をつかみ、ニラんだ。
「だから違うって！」
「何が違うんだ！現にエリカちゃんは怒っているだろうが！」
すると翔太は怒りもあらわに裕矢の手を振り払った。
「兄さんはいつもそうだ！俺の話を信じない」
「お前が信じるような話をしないからだろ」
「違う！兄さんがわかってくれないんだ！必死に説明しているのに、聞いてくれない！」
「お前が考えなしに行動する事が多いからだろ。今回だって、エリカちゃんが怒るのは予想がつかなかったか？もう付き合って二年だろ。彼女の怒りの地雷がどこにあるかわかっているハズだ」
「それは……」
「やっぱり裕矢さんはすごい。彼氏でもないのに、私の事よくわかっている」
「ありがとう」
「……だったら、俺と別れて兄さんと付き合えば」
「えっ？」
私だけでなく、裕矢、エリカ、周りで見ていた人全員が驚いた。翔太だけ毅然とした態度でエリカを見ていた。
「兄さんの方がエリカをよくわかっているし、すごいんだろ？だったら兄さんと付き合った方が幸せになるんじゃないの？」
「な、何逆ギレしてんのよ」
「逆ギレじゃない。もうガマンの限界なんだ」
「ガマンの限界？信じらんない。ガマンしているのはいつも私の方なのに」
「そう思うなら、そう思えばいい。とにかく俺は、もう無理だ。付き合えない」
「ちょっと待て、翔太。それが考えなしに行動するって言うんだ」
「どう思われたっていい。無理なものは無理だ。今すぐ別れたい」
「本気で言っているのか？」
「ああ、そうだ」
「……いいわ、別れましょ」
「ええっ！」
エリカはあっさり言った。