教えて!恋愛の女神様
裕矢は言うなり、私と翔太の手をほどいた。
「あっ!」
私はもう一度つなごうとした。しかし裕矢に邪魔されできなかった。
「ありがとう、裕矢さん」
エリカはニッコリ笑った。翔太はフテくされた顔になった。そしてそのまま正門へ向かって歩き出した。彼の後ろ姿は切なそうだった。
「知佳ちゃん、送っていくよ」
裕矢は私の背中に手を回した。私は断ることもできず、どうしようか考えた。
「知佳ちゃんを……彼女を送ってきます」
「すぐ帰ってこいよ」
裕矢は図書館から一緒に来た人に向かって言い、一歩を踏み出した。私はこのままでは迷惑がかかると思い、見物人がいなくなるのを待って足を止めた。
「知佳ちゃん、どうしたの?」
「私ならもう大丈夫です。だから仕事に戻ってください」
「少しくらいなら抜けても平気だよ。第一、行くのは中央棟までだし。職場にも迷惑はかからないよ」
「でも、このままだとまた頼っちゃうかもしれないし」
「いいよ、頼って。同じ敷地内にいるんだ、すぐ行けるし帰って来れる」
「そんな、申し訳ないです。お給料払っているわけじゃないし」
「翔太と違って、頼みづらい?」
「えっ、いや、そういうわけじゃ……」
裕矢は切なそうな顔で私を見た。
「そうだ。朝、毎日迎えに行くよ」
「いや、いいですよ。授業が二講目からある時は、家でゆっくりしたいし」
「大丈夫、俺が出勤時間を遅らせて迎えにいくから」
「ダメですよ!クビになっちゃいますよ!図書館司書の仕事にほこりを持っているんでしょ?だったら仕事がんばってください」
「じゃあ、やっぱり俺の出勤時間に合わせて迎えに行くよ。知佳ちゃんは早く登校して来た分、図書館や談話室でレポートを書いたり、就職活動の情報を集めればいい」
「けど……」
「翔太に知佳ちゃんを任せたくないんだ」
裕矢の声は熱を帯びていた。
「翔太と一緒にいる時間が長くなったら、知佳ちゃんの心にアイツが住んでしまう。俺が入り込む余地がなくなってしまう」
「そんな事無いですよ。翔太君だって学生だもの。大学遠いし、一講目がある日は迎えに来れませんよ」
「あっ!」
私はもう一度つなごうとした。しかし裕矢に邪魔されできなかった。
「ありがとう、裕矢さん」
エリカはニッコリ笑った。翔太はフテくされた顔になった。そしてそのまま正門へ向かって歩き出した。彼の後ろ姿は切なそうだった。
「知佳ちゃん、送っていくよ」
裕矢は私の背中に手を回した。私は断ることもできず、どうしようか考えた。
「知佳ちゃんを……彼女を送ってきます」
「すぐ帰ってこいよ」
裕矢は図書館から一緒に来た人に向かって言い、一歩を踏み出した。私はこのままでは迷惑がかかると思い、見物人がいなくなるのを待って足を止めた。
「知佳ちゃん、どうしたの?」
「私ならもう大丈夫です。だから仕事に戻ってください」
「少しくらいなら抜けても平気だよ。第一、行くのは中央棟までだし。職場にも迷惑はかからないよ」
「でも、このままだとまた頼っちゃうかもしれないし」
「いいよ、頼って。同じ敷地内にいるんだ、すぐ行けるし帰って来れる」
「そんな、申し訳ないです。お給料払っているわけじゃないし」
「翔太と違って、頼みづらい?」
「えっ、いや、そういうわけじゃ……」
裕矢は切なそうな顔で私を見た。
「そうだ。朝、毎日迎えに行くよ」
「いや、いいですよ。授業が二講目からある時は、家でゆっくりしたいし」
「大丈夫、俺が出勤時間を遅らせて迎えにいくから」
「ダメですよ!クビになっちゃいますよ!図書館司書の仕事にほこりを持っているんでしょ?だったら仕事がんばってください」
「じゃあ、やっぱり俺の出勤時間に合わせて迎えに行くよ。知佳ちゃんは早く登校して来た分、図書館や談話室でレポートを書いたり、就職活動の情報を集めればいい」
「けど……」
「翔太に知佳ちゃんを任せたくないんだ」
裕矢の声は熱を帯びていた。
「翔太と一緒にいる時間が長くなったら、知佳ちゃんの心にアイツが住んでしまう。俺が入り込む余地がなくなってしまう」
「そんな事無いですよ。翔太君だって学生だもの。大学遠いし、一講目がある日は迎えに来れませんよ」