教えて!恋愛の女神様
「もちろん!行き当たりばったりじゃ時間がすぎるばかりで、何もしないで終わっちゃう」
「たしかにそうですね」
「美術館は楽しめた?」
「はい、すごく!来てよかったです。裕矢さんががんばって調べてくれたかいがありました」
「ほめてもらえると、やる気がでるな。またがんばって探そうかな」
裕矢は嬉しそうに笑った。私は『じゃあ、お願いしようかな』と言いつつ、心は違う事を考えていた。
(できれば次は、翔太君とデートしたいな)
まだ私の心は迷っていた。
ご飯を食べ終えると、午後九時を回っていた。外はすでに暗く、空に細い三日月が星とともに輝いていた。
「けっこう良い時間になりましたね」
「そうだね。……もう帰りたい?」
「んー、そうですね。もう一か所くらい行ってもいいかなと思うんですけど、明日は一講目からあるので、あんまり遅くまで遊んでいると起きられなくなると思うんです」
「帰りがてら、軽くドライブでも行く?」
「ああ、なるほど。それはいいですね」
店の前で話していると、誰かから電話がかかってきた。
「ちょっと失礼します」
「うん」
いつものように気軽に携帯電話をバッグから取り出すと、サブディスプレイを見た。
とたん、私は凍りついた。楽しかった記憶など、吹き飛んだ。
サブディスプレイに表示されていた名前は、鉄平だった。昨夜苦情が来ていると追い払われたのに、こりずに連絡してきたのだ。
「どうしたの?出ないの?」
「出ないと言うか、出られないんです。……かけて来たのが元カレだから」
「もしかして、ストーキングしている例の彼?」
「はい」
うなづいた途端、呼び出し音が止まった。しかし私にはまたかかってくる自信があった。胸騒ぎがしてしょうがなかった。
(きっとかかってくる。またかかってくる!)
とたん、呼び出し音が鳴った。サブディスプレイを見れば、やはり表示されていたのは鉄平の名前だった。
「たしかにそうですね」
「美術館は楽しめた?」
「はい、すごく!来てよかったです。裕矢さんががんばって調べてくれたかいがありました」
「ほめてもらえると、やる気がでるな。またがんばって探そうかな」
裕矢は嬉しそうに笑った。私は『じゃあ、お願いしようかな』と言いつつ、心は違う事を考えていた。
(できれば次は、翔太君とデートしたいな)
まだ私の心は迷っていた。
ご飯を食べ終えると、午後九時を回っていた。外はすでに暗く、空に細い三日月が星とともに輝いていた。
「けっこう良い時間になりましたね」
「そうだね。……もう帰りたい?」
「んー、そうですね。もう一か所くらい行ってもいいかなと思うんですけど、明日は一講目からあるので、あんまり遅くまで遊んでいると起きられなくなると思うんです」
「帰りがてら、軽くドライブでも行く?」
「ああ、なるほど。それはいいですね」
店の前で話していると、誰かから電話がかかってきた。
「ちょっと失礼します」
「うん」
いつものように気軽に携帯電話をバッグから取り出すと、サブディスプレイを見た。
とたん、私は凍りついた。楽しかった記憶など、吹き飛んだ。
サブディスプレイに表示されていた名前は、鉄平だった。昨夜苦情が来ていると追い払われたのに、こりずに連絡してきたのだ。
「どうしたの?出ないの?」
「出ないと言うか、出られないんです。……かけて来たのが元カレだから」
「もしかして、ストーキングしている例の彼?」
「はい」
うなづいた途端、呼び出し音が止まった。しかし私にはまたかかってくる自信があった。胸騒ぎがしてしょうがなかった。
(きっとかかってくる。またかかってくる!)
とたん、呼び出し音が鳴った。サブディスプレイを見れば、やはり表示されていたのは鉄平の名前だった。