教えて!恋愛の女神様
「美容のために寝ると言っても、ただ寝れば良いってもんじゃねぇ。午前0時ころから内臓は順次壊れた細胞を直しにかかるんだ。だから午前0時には寝ないと、本当の美しさは手に入らない」
「なるほどー」
「と言うワケで。がんばれよ。午前0時まで残り五十六分三十三秒だ」

「はい?」
「はい?じゃねぇだろ。今話を聞いていただろ。午前〇時には寝なきゃならねーんだ。それまでにさっさと掃除を終わらせろ」
「無理言わないでください。いくらワンルームって言ったって、キッチンも風呂場もあるんです。ようやく散らかっていたゴミの分別が終わったんです。脱ぎ捨てた服は明日洗うにしても、掃除したりすればまだまだ終わりません!」
「言い訳するのがずいぶん上手いなぁ。一日や二日じゃそのスキルは身につかないぞ。おぬしは問題が起こるたび、そうやって逃げてきたのか?」
「ぐっ……」
「図星だな」
ロマンスはあきれたようにため息をついた。さきほどの分も合わせるとかなりの回数だ。
(私、相当重症なのね……)
「どうりで男運が悪いわけだ。そんなんじゃあアタイ達神の援護射撃を受けられないもんな」
「ぐぐっ……」
「アタイ達神が好きなのは、前向きで、できるだけ文句を言わず、忠告を素直に聞ける者だ。言い訳ばかりしている奴は好きじゃない」
「…………!」
「変わるためには、勇気じゃぞ。勇気、しかと心しておけ」
(すいません、反省します……)
心底反省し、心の中で謝った。するとロマンスはニヤリと笑った。
「わかったならいい」
「また聞こえました?」
「もちろん!なかなか良い反省っぷりだぞ」
「はぁ……」
「よし、じゃあ今日は大目に見て脱ぎ捨てた服を片付けたら終わりにするか」
「い、いいんですか?」
「今日だけだ。明日からはビシバシやってもらうからな」
「はい!」







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