教えて！恋愛の女神様

鉄平は裕矢を押しのけ、私の元へ来ようとした。私はさらに一歩後ずさった。
　とたん、裕矢が鉄平の手をはねのけた。
「嫌がっているだろ！わからないのか？」
「わからないね。だって二週間前別れ話を切り出した時、こいつ涙して『別れたくない』って言ったんだぜ。たかだか一か月で元カレの事を忘れる事ができるもんか。まだ未練タラタラのはずだぜ」
「未練なんてない！だから復縁なんて絶対しない！」
「知佳。君は何か間違った情報に惑わされていないか？」
「間違った情報？」
「そう。昨日翔太と一緒にいただろ？その時、翔太から俺について良くない情報を仕入れたんじゃないか？でも、それは間違いだ。俺は今でも知佳を愛している。知佳を大切に思っているんだ」
「間違った？」
「知佳ちゃん、翔太から何を聞いたんだ？」
「あの……鉄平と以前復縁した女の子が、何度か体の関係を持った後捨てられて自殺したって」
「ああ、聞いたことがある。翔太が一年前くらいに言っていた」
「なんだ、そんなことか！それならウソだよ。誰かが俺と間違って流した情報だよ」
「そ、そうなの？」
「ああ。たしかに俺の友達で彼女を振ったら自殺したって子がいて、その時俺も振った子がいたから話が混じっちゃったんじゃないかな。俺はそこまでヒドい奴じゃない」
「なんかうさん臭い」
「ずいぶん疑り深いな。もっと気楽に考えなよ」
鉄平は再び私に近寄ろうとした。すると裕矢は再び鉄平の手をはねのけた。
「やめろ！」
「痛った！そんなに強く叩いたら俺の手が壊れちゃうよ」
「とにかく。今日は帰れ。……いや、二度と来るな！」
「だから、自殺した子は俺の元カノじゃないって。信じてくれよ」
「残念ながら無理だ。知佳ちゃんの事はあきらめろ」
「なあ、知佳はどうなんだよ。俺じゃなくて、裕矢さんの話を信じるのかよ」
「う、うん……」
「もしかして、もう寝た？」