教えて！恋愛の女神様

「は？」
「それで裕矢さんに愛情湧いちゃった？」
「知佳ちゃんとはまだ何もない。第一、彼女は軽い女じゃない！」
「おい、知佳。お前、何急に良い子ブッてんだよ。俺とはすぐ寝たクセに！」
「やめて！さっさと帰って！」
「会うたび寝たクセに！」
「もうやめて！」
「本当はエッチな事大好きなクセに、裕矢さんの前でだけ良い子ぶんじゃねーよ！」
「いいかげんにしろっ！」
裕矢は右手の拳を振りかぶるなり、鉄平の左頬を殴った。鉄平はそのまま私の部屋のドアへ吹っ飛ぶと、バアン！と音を立ててぶつかった。静かな闇を裂いたような気がした。
「ってぇーっ！」
「本当にエッチな事が好きなのはお前の方だろ！知佳ちゃんが嫌がっているのに、無理やり復縁しようとしているじゃないか。お前見たいなのを『病気』って言うんだよ！」
「裕矢さん、マジで知佳の事好きなんだ。へぇー。裕矢さんの好きな女のタイプって、もっとこう、美人でインテリな感じだと思っていたのに。意外だな」
「そうだよ、俺は知佳ちゃんが好きだ。でもお前に女のタイプをとやかく言われる筋合いはない！」
「いいっスよ。正々堂々と戦いましょう。どっちか知佳にふさわしい男か」
「戦う必要なんかないわ！」
私はキッパリと言った。
「たとえ裕矢さんと付き合わなかったとしても、鉄平、あなたのところには戻らない。何度も言うけど、絶対復縁しない！」
「知佳、待てよ。俺の話を聞いてくれよ！」
「いいえ、聞きたくなんかない。あなたにフラれて私一つ賢くなったの。あなたみたいな男は、もうコリゴリだって！」
「どうして話を聞いてくれないんだよ！」
「あなたも私の話を聞かなかったでしょ。待ってって言ったのに、ブスって吐き捨ててぶん殴ったでしょ！」
「あれは……あの時は興奮していたんだ。俺が悪かった。今聞くから許してくれ」
「嫌よ。二度と聞かない！」
「知佳！」
「エッチしたいなら、他をあたって！」
私は最後、泣きながら言った。鉄平へ文句を言うたび、過去の辛い記憶がよみがえってきた。