教えて！恋愛の女神様

「わあ、かわいい！」
思わず抱きしめた。あまりにも素敵すぎるデザインに、うっとりした。
「良い夢見れそう……」
「うん、良い夢見て」
言うなり、裕矢は私のおでこにキスした。
「おやすみ」
「おっ、お休みなさい」
「これくらいは、許して」
そう言うと、彼はやさしく笑って部屋を出て行った。
　私は胸に手を当てると、ボーッとドアを見つめた。
「なんか、夢みたい……」
あまりにも色々な事がうまくいったので、そう思わずにいられなかった。
　かしてもらったパジャマに着替えると、下着の着替えどころか、洗顔料や基礎化粧品など何も持って来ていない事に気が付いた。
（まあ、しょうがないか。今日はうがいして終わりにしよう）
軽くショックを受けつつも、部屋の隣にあるトイレへ行こうとした。すると誰かがドアをノックした。
「ごめん、お風呂の場所を教えるのすっかり忘れていた」
「そんな。い、いいですよ。こんな夜中にシャワーを浴びたりしたらうるさいでしょ」
「防音ならしっかりしているから、安心して」
話ながら、階段の反対側にある部屋へ向かって歩いた。裕矢の後ろを着いていくと、一番奥の扉の前で止まった。扉には『バスルーム』と英語で書かれたプレートがかかっていた。
　裕矢はその扉を内側へ押し開いた。すると洗練されたデザインの脱衣所と洗面台のある空間が現れた。基礎化粧品や髭剃り、使い捨ての歯ブラシも置かれていた。
（まるでホテルだ！）
「ああ、それ。好き勝手に使っていいから」
「えっ？本当にですか？」
「うん。ちなみに化粧品は持って帰らないでね。けっこう高い物だから、補充するのたいへんなんだ」
「わかりました」
そのまま左手にあるガラス扉を開けると、バスルームになっていた。ちゃんと浴槽もあり、本格的なお風呂だった。
　裕矢はシャワーなどの使い方を一通り教えてくれると、笑顔で出て行った。私は慣れない素敵な空間にドキドキしつつ、シャワーを浴びる事にした。