教えて!恋愛の女神様
 ところが、この恋愛も間違っていた。彼は十九歳の若さで結婚していたのだ。私は知らず知らずのうちに不倫していたのだ。
 わかったのは、付き合って一か月目の事だった。彼を愛していた私は、別れより一緒に歩む事を選んだ。再び身を切られるような辛い日々が始まった。
 彼には同い年の妻と、デキちゃった結婚によって生まれた一歳の娘がいた。ただ夫婦仲は悪く、妻から電話がくるといつもケンカをしていた。電話を切った後の彼はすごく辛そうだった。
 私はそんな彼を支えようと優しい言葉をかけたり、励ましたりした。すると彼は『妻の事はもう愛していない、離婚するつもりだ。そうしたら、俺と結婚してくれ!』と言った。
 私は嬉しかった。涙を流して喜んだ。まだ十七歳で高校生だったが、卒業したら結婚してもいいと思った。
 しかし、終わりは突然やってきた。彼の妻が私に会いに来たのだ。
 妻は私の事を『ひどい女、泥棒!』と怒鳴り散らし、殴ったりけったりすると思っていたのに、涙を流して謝るばかりだった。
『悪いのは私の方なんです。育児でたまったストレスを彼にぶつけて優しくしてあげられなかった。だから彼はさびしくて、あなたのところへ行ってしまったの。でもこれからは彼を大切にする。お願い、もう二度と会わないで!』
妻は化粧っ気のない顔で涙ながらに訴えた。もちろん私は受け入れなった。
『いや。私、彼を愛しているんです。結婚の約束だってしたわ。あなたみたいな薄汚れた女に負けない。あなたこそ手を引いて。子供の面倒だけ見ていればいいのよ!』
彼女は絶句した。『薄汚れた女』と言う言葉が心に突き刺さったのだろう。私は心の中で『ざまあみろ』と思った。勝ち誇った気分だった。
-おごり高ぶるもの、久しからず-この時の私は、そんな言葉がぴったりだった。なぜなら同じ日、私は彼から別れを告げられたから。
 反省している妻に心を動かされた彼は、すっかり行いを悔い改め、夫婦生活をやり直すと決めたのだ。
-彼と付き合って二か月目、私は再び捨てられた。-
 私はすっかり負のスパイラルにハマってしまった。










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