教えて!恋愛の女神様
「こんなところに神社があったんだ」
「そうなの。驚きでしょ?」
「何のご利益がある神様がいるんだい?」
私は笑顔で裕矢を見た。
「恋愛」
「えっ、そうなの?」
「そう。それもすごーくご利益があるの」
「すごーく?へぇー……でも、その割には参拝者が少ないね」
裕矢は境内の中をあちこち見渡した。彼の言う通り、確かに人はまばらだった。
(考えていた以上にひどい状態ね。……でも、ロマンスはその事については何も言っていなかった。『願いが叶ったら、お礼参りするようにと布教して欲しい』と言っていただけ。そのあたりは無欲なのね)
ロマンスの素敵さに改めて感心した。
「ねえ、知佳ちゃん。この神社に来たって事は、つまり、まだ何か叶えたい恋の悩みがあるの?俺と付き合い始めたばかりだけど」
「ううん、そうじゃないの」
「そうじゃない?」
「うん。今回はお礼参りに来たの」
「お礼参り?」
「そう。私達はよく神様に色んな事をお願いに来るけど、願いが叶っても『わぁー嬉しい!』って喜んで終わりでしょ?」
「ああ、そうかも」
「でも、本当はそれじゃいけないの。神様だって『ありがとう』って言って欲しいの。『おかげさまで幸せになれました』って言って欲しいの」
「なるほどね。つまり知佳ちゃんは一度、ここへお参りに来たってワケだ」
「えっ!う、うん。そうね」
私は焦った。よもや『神様自ら出向いてくれた』とは言えなかった。
「何をお願いしたの?」
「そ、それはね……『モテ子になりたい』って」
「おお、大胆なお願いだね。多くの男性からチヤホヤされたいと」
「そう。少女マンガやドラマの名セリフ『私のために争わないで!』って言ってみたかったの」
「俺も一回言ってみたいな。『俺のために争うのはやめてくれ!』って。ああ、なんか俳優になったみたいで気持ちいいな」
「そうなの。驚きでしょ?」
「何のご利益がある神様がいるんだい?」
私は笑顔で裕矢を見た。
「恋愛」
「えっ、そうなの?」
「そう。それもすごーくご利益があるの」
「すごーく?へぇー……でも、その割には参拝者が少ないね」
裕矢は境内の中をあちこち見渡した。彼の言う通り、確かに人はまばらだった。
(考えていた以上にひどい状態ね。……でも、ロマンスはその事については何も言っていなかった。『願いが叶ったら、お礼参りするようにと布教して欲しい』と言っていただけ。そのあたりは無欲なのね)
ロマンスの素敵さに改めて感心した。
「ねえ、知佳ちゃん。この神社に来たって事は、つまり、まだ何か叶えたい恋の悩みがあるの?俺と付き合い始めたばかりだけど」
「ううん、そうじゃないの」
「そうじゃない?」
「うん。今回はお礼参りに来たの」
「お礼参り?」
「そう。私達はよく神様に色んな事をお願いに来るけど、願いが叶っても『わぁー嬉しい!』って喜んで終わりでしょ?」
「ああ、そうかも」
「でも、本当はそれじゃいけないの。神様だって『ありがとう』って言って欲しいの。『おかげさまで幸せになれました』って言って欲しいの」
「なるほどね。つまり知佳ちゃんは一度、ここへお参りに来たってワケだ」
「えっ!う、うん。そうね」
私は焦った。よもや『神様自ら出向いてくれた』とは言えなかった。
「何をお願いしたの?」
「そ、それはね……『モテ子になりたい』って」
「おお、大胆なお願いだね。多くの男性からチヤホヤされたいと」
「そう。少女マンガやドラマの名セリフ『私のために争わないで!』って言ってみたかったの」
「俺も一回言ってみたいな。『俺のために争うのはやめてくれ!』って。ああ、なんか俳優になったみたいで気持ちいいな」