教えて!恋愛の女神様
「願い事は、言うと叶わなくなるって言うだろ?」
「知りたいなぁー」
「あの神社の神様、凄くご利益があるんだろ?だったら必ずかなうと思うから、その時話すよ」
「おお、言いますね」
「もっと好きになった?」
私達は笑った。今日何回目かわからないが、笑った。
(ああ、幸せ!二週間前を思うと、こんな日が来るとは想像もつかなかった!)
私は一人、幸福感に浸った。すると以前、ロマンスが私に言った事を思い出した。
『知佳には、同じように恋愛で悩んでいる女の子を救って欲しい』
(これだけご利益のある神社なんだから、まずは神社の宣伝でもしてみようかな?もしかしたら、それだけでモテ子になれる人何人も出てくるかもしれない)
「ねえ、裕矢さん」
「ん?」
「この神社を効率よく紹介する方法ってない?」
「効率よく紹介する方法?」
「そう。『お参りするだけで愛しの彼と付き合えるかも!』を紹介したいの。そうしたら、私みたいに幸せになれる女の子が増えるかもしれないでしょ?素敵じゃない?」
「うん、いい事だね」
裕矢はアゴに手を当てた。
「そうだなぁ。ブログってのはどう?」
「いいわね!でも、初心者の私でもできる?」
「できるよ。司書仲間で、趣味でブログつけている人がいるから教えてもらおう。俺も手伝うから」
「わ、やった!いつ聞きに行こうかな?」
「今、連絡してみるよ」
「ありがとう!」
「ただその前に、一応神主さんにやっていいかどうか聞いてみよう。その方が気持ち的に楽じゃない?」
「うん、そうだね。よーし、聞きに行っちゃおう!」
私は裕矢から腕をほどくと、おみくじを売っている場所へ小走りで向かった。多くの人が幸せになるかもしれないと思うと、嬉しくてしょうがなかった。
「あっ、知佳ちゃん待って!」
裕矢を待てないほど心はやる気に満ちていた。
 そんな私達の姿を、空の上のはるか高いところで、ロマンスと今井が見ていた。






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