教えて!恋愛の女神様
(ご……午前五時!)
いつもなら夢の中にいる時間だ。第一、昨日確かに午前七時にアラームが鳴るようセットしたはず。二回は確認したから、間違いない。
(時計壊れた?……そうだ、携帯電話を見てみよう!)
昨日携帯電をバッグの中に入れたまま地面に力一杯打ち付けたので動いている保証はないが、ひとまずテーブルの上に置い置いたボロボロのバッグの中から取り出し、二つ折りの本体を開いた。するとちゃんと電源は入り、待ち受け画面と現在の時刻が表示された。
(やっぱり午前五時だ!)
目覚まし時計は壊れていなかった。
「知佳、おい、いい加減にしろよ昨日起きたら掃除の続きをするって言ったよな?あれは嘘だったのか?」
ロマンスがイラついた口調でしゃべりながらやって来た。そこで私はハッとした。
(犯人はロマンスだ!彼女がアラームが鳴る時間を早めたんだ。だとしたら、許せない!)
私は襲ってくる眠さと睡眠時間を削られた事にひどく怒り、ロマンスの前に仁王立ちで立ち上がった。
「ちょっと訪ねたい事があるんですけど」
「ようやく起きたと思いきや、仏頂面してなんだ?」
「目覚まし時計のアラームが鳴る時間を、午前七時から午前五時へ勝手に変えましたね?」
「目覚まし時計をそんなにアタイの顔に近づけなくても十分見えるわ」
「どうなんですか?私は説明もなく睡眠時間を削られ、ひどい損害を被ったんですよ。ちゃんと謝ってください!」
「そんだけ立派な言葉を使って自分の状況を説明できるのなら、損害じゃなくて利益だろうが。スッキリ起きれたんだから、よかったじゃねぇか。これで部屋はきれいになるぞ」
「よくありません!眠くてお肌がボロボロになりそうです!」
「まあ、たしかに、目覚まし時計が午前五時に鳴るよう変えたのはアタイだ」
「やっぱり!もぉームカツクゥー!」
「でもだな。いつも通り午前七時に起きてメシ食って支度して講義に行ったら、帰ってくるのはいつだ?」
「今日は一講目から四講目までびっちり入っているから、どこも寄らずに帰ってきても、午後五時は過ぎると思います」
















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