教えて!恋愛の女神様
(今度こそ……今度こそウマくいくと思っていたのに。どうして?彼は初めて会った時、私を『運命の女だ』って言った。本当に言ったのに!なのに、たった二週間付き合っただけで、どうしてこんなヒドいフラれ方をしなきゃいけないの?)
私は彼を殴ったバッグでコンクリートの地面を力一杯たたいた。怒りと悲しみのあまり、とてもじっとしていられない。ズキンズキン痛む頬を労りもせず、バンバンたたき続けた。
 このままではバッグはボロボロになるのはわかっている。けど、やめられない。
 私の恋愛は、いつもこんなパターンだった。ちょっと付き合っては捨てられる。それも、ひどい目にあって。
(私はふつうに付き合って、普通に愛し合いたいだけなのに。多くなんて望んでいないのに!ちょっとイケメンで、できれば高学歴か高収入な男が好きってだけなのに、どうしてこんなひどい目にあわなきゃならないのよっ!)
すると突然、持ち手の紐がブチッと切れた。バッグを地面にたたきつけ過ぎたせいだろう。それでも私の怒りは収まらず、今度は素手で地面をたたいた。
 コンクリートの地面は固く冷たかった。手を打ち付ければ打ち付けるほど、冷たさと固さが伝わってくる。まるで私を捨てた男のようだ。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 
私はとうとう地面につっぷして泣いた。この世の終わりでも悲しむかのように。しかし、泣いても泣いても悲しくてつらい気持ちは終わらない。どんどん涙はあふれてくる。
 ふと、私はある事を思い出した。すると怒りはさらに増し、絶叫した。
「この世に神様なんていないんだ!そうじゃなきゃ、こんな辛い思いなんてしない!」
それでも怒りは収まらない。
「そうだーっ!神様なんていないーっ!もしいたとしたら、サドだーっ!私の心臓がまっぷたつに裂けるくらい苦しんでいるのを知っているのに、助けてくれないんだものーっ!」
暗闇に向かって叫ぶ。もちろん回答は無い。
「ふっざけんなぁーっ!バッカヤロォーッ!マジ、ムカツクゥーッ!世の中のクソ男ども、みぃーんな死んじまえーっ!絶滅しちまえーっ!」
しかしやはり回答は無く、むなしい絶叫だけがあたりに響いた。









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