教えて!恋愛の女神様
兄さんと呼ばれた澤田裕矢はふいにハッとすると、アタフタと左右を見渡し、私たちと同じように床に膝をつき本を拾い出した。
「お、多くの学生が借りる本なんだ。大切に扱え」
「うん、気を付けるよ」
本を拾い終えると、裕矢は翔太が持っていた本の半分を持ち、左手にあるカウンターの上に乗せた。これから借りるらしい。
翔太は持っていた本をカウンターの上に乗せると、私に向かってペコリと頭を下げた。
「手伝ってくれて、ありがとうございます。朝の忙しい時に手を煩わせてすいません」
「いいえ。講義に間に合いそうでよかったですね」
「はい、おかげさまで」
「あの……経済学部に在籍しているんですよね?」
「えっ?」
「これから借りようとしている本、全部経済関係の本だから、経済学部の人なのかと思って」
「ああ」
ふと私は良いアイデアを思い付いた。
「よかったら、手伝ったお礼にお茶の一杯くらいおごってくださいよ。私、二講目は空いているんで。今日は忙しいですか?」
「い、いえ。僕は今日、三講目から……昼から講義なんで、午前中は暇です」
「よかった!じゃあ、一講目が終わったら二号館の談話室で待っていますね」
「あ、はい」
(よーし、これで携帯電話のアドレスとか聞き出せるぞ!私、ナイス!)
彼と付き合うための大きなチャンスをつかみ、とてもハッピーな気持ちになった。
「あの、すいません」
「はい?」
すると裕矢が神妙な面持ちで話しかけてきた。翔太を見れば、とんでもない事を言った。
「こいつの話、うのみにしないでください」
「えっ?」
「まって、兄さん。俺、本当に時間あるんだ」
「おまえは黙ってろ。適当な事言って、彼女に迷惑をかけるな」
「適当じゃないよ。ちゃんとわかってて言ってるんだ」
「ちゃんと?バスの乗り換えがうまくいかなくて講義に間に合わなかったらどうするんだ?おまえはいっつも詰めが甘いんだ。俺の言う事を聞いて、とっとと移動しろ」
「お、多くの学生が借りる本なんだ。大切に扱え」
「うん、気を付けるよ」
本を拾い終えると、裕矢は翔太が持っていた本の半分を持ち、左手にあるカウンターの上に乗せた。これから借りるらしい。
翔太は持っていた本をカウンターの上に乗せると、私に向かってペコリと頭を下げた。
「手伝ってくれて、ありがとうございます。朝の忙しい時に手を煩わせてすいません」
「いいえ。講義に間に合いそうでよかったですね」
「はい、おかげさまで」
「あの……経済学部に在籍しているんですよね?」
「えっ?」
「これから借りようとしている本、全部経済関係の本だから、経済学部の人なのかと思って」
「ああ」
ふと私は良いアイデアを思い付いた。
「よかったら、手伝ったお礼にお茶の一杯くらいおごってくださいよ。私、二講目は空いているんで。今日は忙しいですか?」
「い、いえ。僕は今日、三講目から……昼から講義なんで、午前中は暇です」
「よかった!じゃあ、一講目が終わったら二号館の談話室で待っていますね」
「あ、はい」
(よーし、これで携帯電話のアドレスとか聞き出せるぞ!私、ナイス!)
彼と付き合うための大きなチャンスをつかみ、とてもハッピーな気持ちになった。
「あの、すいません」
「はい?」
すると裕矢が神妙な面持ちで話しかけてきた。翔太を見れば、とんでもない事を言った。
「こいつの話、うのみにしないでください」
「えっ?」
「まって、兄さん。俺、本当に時間あるんだ」
「おまえは黙ってろ。適当な事言って、彼女に迷惑をかけるな」
「適当じゃないよ。ちゃんとわかってて言ってるんだ」
「ちゃんと?バスの乗り換えがうまくいかなくて講義に間に合わなかったらどうするんだ?おまえはいっつも詰めが甘いんだ。俺の言う事を聞いて、とっとと移動しろ」