教えて!恋愛の女神様
裕矢がおすすめのカレーの店は、正門から右手に折れて五分ほど歩いた、教授たち行きつけの店だった。つまり、知ってはいたが貧乏学生の身分ではめったに入れない高級店と言うわけだ。
(まあ確かに、社会人なら私たち学生にとってコーヒー一杯の値段だろうね)
メニュー表を見ながら思う。いつも食べるのは安さとうまさが売りの、ハンバーグ専門店。この店の半分の値段で出している商品がほとんどだ。
「ここのおすすめは、ビーフカレーだよ。よかったら食べてみない?」
「まあ、そうなの?じゃあ私、ビーフカレーにするわ。知佳は?」
「えっ、わ、私は……ポ」
『ポークカレー』と言おうとした瞬間、テーブルの下でロマンスが私の足をグリグリと踏んだ。そえもピンヒールのヒールで。顔は笑っているが、目が『ビーフカレーを選べやコラ!』と言っていた。
「わ、私もビーフカレーをお願いします!」
「わかった。じゃ、頼むね」
裕矢は嬉しそうに笑うと、ビーフカレーを三つ頼んだ。彼の声はなんだか張り切っている気がした。
「さ、注文もすんだ事だし、いいかげんそろそろ自己紹介をしよう」
「はい!」
ロマンスはニコニコして答えた。私は複雑な心境がもろに出た『微妙な笑顔』で小さくうなずいた。
「じゃあ俺から。名前は澤田裕矢。君たちが通う大学の図書館で今年の四月から図書館司書として働いています。年は二十三歳。三月に大学を卒業したばかりで、社会人としては一年生。まだひよっこだよ」
「仕事は慣れましたか?」
「少し。でもまだわからない事だらけで、たまにヘコむ時もあるんだ」
「大変ですね」
「社会人ならみんな同じだよ。誰しも必ず通る道さ。さて、今度は二人の番だよ」
「ああ、そうですね」
ロマンスは笑顔でおおきくうなずた。そして今度はテーブルの下で私の足を蹴った。『知佳からしろ』と言いたいらしい。
「じ、じゃあ、私が。わ、私は長内知佳。今年の四月に短期大学部経営学科に入りました。十九歳になったばかりです」
(まあ確かに、社会人なら私たち学生にとってコーヒー一杯の値段だろうね)
メニュー表を見ながら思う。いつも食べるのは安さとうまさが売りの、ハンバーグ専門店。この店の半分の値段で出している商品がほとんどだ。
「ここのおすすめは、ビーフカレーだよ。よかったら食べてみない?」
「まあ、そうなの?じゃあ私、ビーフカレーにするわ。知佳は?」
「えっ、わ、私は……ポ」
『ポークカレー』と言おうとした瞬間、テーブルの下でロマンスが私の足をグリグリと踏んだ。そえもピンヒールのヒールで。顔は笑っているが、目が『ビーフカレーを選べやコラ!』と言っていた。
「わ、私もビーフカレーをお願いします!」
「わかった。じゃ、頼むね」
裕矢は嬉しそうに笑うと、ビーフカレーを三つ頼んだ。彼の声はなんだか張り切っている気がした。
「さ、注文もすんだ事だし、いいかげんそろそろ自己紹介をしよう」
「はい!」
ロマンスはニコニコして答えた。私は複雑な心境がもろに出た『微妙な笑顔』で小さくうなずいた。
「じゃあ俺から。名前は澤田裕矢。君たちが通う大学の図書館で今年の四月から図書館司書として働いています。年は二十三歳。三月に大学を卒業したばかりで、社会人としては一年生。まだひよっこだよ」
「仕事は慣れましたか?」
「少し。でもまだわからない事だらけで、たまにヘコむ時もあるんだ」
「大変ですね」
「社会人ならみんな同じだよ。誰しも必ず通る道さ。さて、今度は二人の番だよ」
「ああ、そうですね」
ロマンスは笑顔でおおきくうなずた。そして今度はテーブルの下で私の足を蹴った。『知佳からしろ』と言いたいらしい。
「じ、じゃあ、私が。わ、私は長内知佳。今年の四月に短期大学部経営学科に入りました。十九歳になったばかりです」