教えて！恋愛の女神様
（顔も頭も良くて子供好きかぁー。もう、パーフェクトだわ！）
白衣を着た翔太が子供を笑顔で診察している場面を想像し、一人ニヤニヤした。
「あの、お医者さんてあんまり家に帰って来ないんですよね？」
ふいにロマンスが聞いた。
「えっ、あ、ああ、そうだね」
「家に帰って来ない？」
「うん。ここ最近、テレビや新聞を結構にぎわせているけど、医者は常に人手不足なんだ。こなさなければならない仕事がたくさんあるようで、いつも帰って来るのは遅いんだ」
「じゃあ、付き合っているうちはデートもあまりできないし、結婚したら子供の面倒とかも見てもらえませんね」
「そうなんだ。今じゃ笑い話だけど、俺たちが子供だった頃、非番だからと遊園地へ連れて行ってくれた時、どうしても人出が足りないからって、遊園地でアトラクションに乗っている時呼び出しが来て病院に行ったりとか、理容室へ髪を切りに行ったら、半分切ったところで呼び出しが来て、お代を半分だけ払って行ったとか。エピソードには事欠ないよ。そんなわけで、俺達子供の面倒を見たのはほとんど母さんなんだ。俺達が熱を出して具合が悪くなった時も帰ってこれないから、結局病院へ連れて行ったそうだし」
「えーっ、そうなんですか？」
「生活の心配はなさそうだけど、自立した者でないと、ドクターの恋人や妻はつまらなさそうですねぇ」
ロマンスは言うと、横目で私を見た。私は言い返す事ができず、視線を逸らした。
「それに対して、司書の方はけっこう家に帰って来れそうですね」
「うん。趣味や遊びに熱を入れなければ、夕方には帰る事が多いからね。デートで夕方に映画を見に行った話しもよく聞くよ」
「たくさんかまってほしい人は、とっても望ましいですね」
「そう言われてみれば、そうだね」
「知佳、相性バッチリじゃない！」
「えっ？」
「だって、知佳ってさびしがり屋じゃない？ほら、付き合ったらすごい数のメールするじゃない？」
「最初のうちはね！で、でも、落ち着いてきたら、そんなにしない。用事がある時にしかしないもん！」






< 46 / 238 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop