教えて!恋愛の女神様
ロマンスの一言に、私のイライラした気持ちはやる気に変わった。
(翔太君とご飯?一緒にご飯食べれるかもしれない?)
「でもアイツ、彼女いますよ。明美ちゃんに紹介するのはかまわないけど、彼氏にはできませんよ」
「いいんです!ただ、翔太君がどんな人なのか知りたいだけなので」
「そう、わかった。今日の夜にでも、いつ都合がいいか翔太に聞いてみるよ」
「ほら知佳。メールアドレス教えてあげなよ。裕矢さん、連絡できないじゃない」
「そ、そうね。わかった。じゃ、交換しましょう!」
「待って。今データを送信できるようにするから」
かくして、私と裕矢はメールアドレスを、いや電話番号まで交換した。すぐ食事できるかもしれないということで、念のため教えあった。
 すっかり嬉しくなった私は、その後注文したカレーをルンルンした気持ちで食べ、三人で楽しく会話した。食べ終わるまで、とても有意義な時間を過ごした。
 午後〇時四十五分。私は三講目を受けるため、裕矢は仕事場へ戻るため、少し早めに店を出ることにした。
(とうとう、この時が来たか……)
レジの前、裕矢を先頭に並び計算が終わるのを待った。ビーフカレー三人前に、あの後コーヒーも追加注文した。
「お待たせいたしました。合計で三千六百円になります」
(た、高い!私の三日分の食費だ!)
もちろん裕矢はビクともしない。何事もなかったようにズボンの尻ポケットから財布を取り出し、払った。彼の背中は凛々しく『頼れる男』の空気を醸し出していた。レジを打っていた女性からお釣りをもらう時もニッコリ笑顔。大人の余裕さえ感じる。私は、またまた胸がキュンとした。
(ヤバい!また胸キュンしちゃった。このままじゃ、今までの自分と変わらない!)
「さ、店を出ようか?」
「あの、私、自分の分くらい払います」
「ご馳走するって言っただろ。今回は俺のおごりだよ。一円も払わなくていいよ」
「そ、そうですか?」
「ああ、その代わり……」
「その代わり?」
「またデートしてくれる?」
「デートですか?」








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