教えて!恋愛の女神様
「それもある。だが一番の理由は、今まで自分がやっていた事は『間違っていた』と認めなければならないからだ。辛いと思わぬか?」
「つらーい!」
「お主のように『どうしても自分を変えたい』理由があるなら甘んじて受け入られるだろうが、意味もなくそれを押し付けてやるのは無理だ。だから相手を変えようとするな。適当に話を切り上げてづらかれ」
「はい、わかりました」
「よし、では次行くぞ。自分の胸に手をあてて謝る。『今までいじめて、ごめんね』」
「謝る?自分に?何で?」
「『どうせ自分はブスだから、ダメな男につかまる』とか考えていなかったか?」
「考えていた……」
「それは自分をイジメている事と同じだ。イジメているから、イジメたい奴が寄ってくる。だからまず、『自分はイジメられるような人間ではない』と思わなくてはいけない」
「なるほどー」
「そして次に誓う。『これからは大事にするからね、ありがとう』」
「はい」
「最後に、ホメる。『あたし、よくがんばってんじゃん!』とか、『外見、なかなかイケてるわよー。お化粧変えたら、アイドルになれるかも!』とか」
「へぇー」
「よし、ではやれ」
「へっ?」
「アタイは忙しいんだよ。モタモタしていたら、いつまで経っても修行は終わらん。すぐ『おばさん』の仲間入りだ」
「でもぉー、この後夕飯作って、食べて、バイトに行かなきゃならないんです。掃除が中途半端になっちゃいますよ」
「そんなもん、気合いでどうにでもなる」
「なりませんよー。終わらないものは終わらないんですぅー」
「今のアタイの話を聞いていなかったか?『自分はできない人間です』って、イジメるなと言っただろ」
「ぬっ……」
「伸びる奴と言うのは、人の話を素直に聞くもんだ。『でもぉー、だってぇー』と言い訳ばかりしていたら、目的の達成も遅くなるぞ」
「はーい」





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