教えて!恋愛の女神様
「……掃除は、あんまり上手じゃないな」
「言ったもん勝ちだ。言葉には『言霊』と言う力がある。良い事言えば良い事が起こり、悪い事を言えば悪いことが起こる」
「じゃあ、言い続けると本当に『掃除が上手』になるんですか?」
「そうだ。だから言い続けろ」
「はい!『掃除が上手!』」
「あたし、なかなか良い線いってるー」
「あたし、なかなか良い線いってるー」
「モテすぎてこまっちゃう!」
「モテすぎてこまっちゃう!」
「男が行列をなして告白しに来てるわ!」
「男が行列をなして告白しに来てるわ!」
こうしてしばらくの間、『ホメ言葉特訓』を続けた。はたから見ると間違いなく変な二人だろう。しかしこの特訓は想像以上に効果があり、五分も経つとすっかり良い気分になった。おかげで掃除は順調に終わり、予定の時間に夕飯づくりに取り掛かる事ができた。
今までも朝夕作っていたが、どこか適当だった。付き合っていた男に作った事ももちろんあるが、同棲していたワケではないのでほとんどが自分のためだけに作っていた。
『自分のため』だからさぞや気合いが入ると思いきや、かえって逆。まったくやる気が出ず、適当に作って適当に食べていた。
そのためか肌の調子はよくなく、ニキビは顔のどこかに始終出ていて、肌もくすんでいた。当然生理も不順で、毎月いつやって来るかドキドキしながら過ごしていた。
「知佳、こんな生活をしていたらダメだ。まったくおぬしは、いろんな意味で自分を大切にしていない。タダ同然だ」
「すいません……」
「食は命をつなぐ大切なものだ。モテ子になるためにも、おいしい料理を自分のために作れ」
ロマンスの言っている事はもっともだと思い、さっそく今日の夕飯から『自分のために』真面目に作った。親に耳にタコができるくらい言われてもしなかったのに。
そうして出来上がった焼きそばを見た彼女は開口一番、『何だそれ』と言った。ロマンスは昼と同じ服装をしているので見かけは今時の女子大生だが、食べた料理の記憶は死んだ百年前で止まっているらしい。おそらく、その時代に焼きそばはなかったから、戸惑っているに違いない。
「言ったもん勝ちだ。言葉には『言霊』と言う力がある。良い事言えば良い事が起こり、悪い事を言えば悪いことが起こる」
「じゃあ、言い続けると本当に『掃除が上手』になるんですか?」
「そうだ。だから言い続けろ」
「はい!『掃除が上手!』」
「あたし、なかなか良い線いってるー」
「あたし、なかなか良い線いってるー」
「モテすぎてこまっちゃう!」
「モテすぎてこまっちゃう!」
「男が行列をなして告白しに来てるわ!」
「男が行列をなして告白しに来てるわ!」
こうしてしばらくの間、『ホメ言葉特訓』を続けた。はたから見ると間違いなく変な二人だろう。しかしこの特訓は想像以上に効果があり、五分も経つとすっかり良い気分になった。おかげで掃除は順調に終わり、予定の時間に夕飯づくりに取り掛かる事ができた。
今までも朝夕作っていたが、どこか適当だった。付き合っていた男に作った事ももちろんあるが、同棲していたワケではないのでほとんどが自分のためだけに作っていた。
『自分のため』だからさぞや気合いが入ると思いきや、かえって逆。まったくやる気が出ず、適当に作って適当に食べていた。
そのためか肌の調子はよくなく、ニキビは顔のどこかに始終出ていて、肌もくすんでいた。当然生理も不順で、毎月いつやって来るかドキドキしながら過ごしていた。
「知佳、こんな生活をしていたらダメだ。まったくおぬしは、いろんな意味で自分を大切にしていない。タダ同然だ」
「すいません……」
「食は命をつなぐ大切なものだ。モテ子になるためにも、おいしい料理を自分のために作れ」
ロマンスの言っている事はもっともだと思い、さっそく今日の夕飯から『自分のために』真面目に作った。親に耳にタコができるくらい言われてもしなかったのに。
そうして出来上がった焼きそばを見た彼女は開口一番、『何だそれ』と言った。ロマンスは昼と同じ服装をしているので見かけは今時の女子大生だが、食べた料理の記憶は死んだ百年前で止まっているらしい。おそらく、その時代に焼きそばはなかったから、戸惑っているに違いない。