教えて!恋愛の女神様
「へぇー、何が違うんです?」
「親ってのは『あーだ、こーだ』言っても、少なからず『子供には無償の愛を与えるものだ』と言う思いがある。だから子供がバイト代を全部自分のためだけに使っても『しょうがない』と思っている。だが男は違う。男女の愛はギブ・アンド・テイク……与えたら返してもらおうと思っている。メシをごちそうするのも、その思考の現れだ」
「何をお返しにもらおうと思っているんですか?」
ロマンスは私を指差した。……いや、正確には胸を刺していた。思わず私は危険を感じて体を抱きしめた。
「体だ」
「えっ?そ、そんな……裕矢さんはそんな軽い人じゃないですよ!」
「軽くはないが、男には違いないだろ。油断していると、これまでと同じ『痛い展開』になるぞ」
「ぬっ……」
「そのためにも、もらいっぱなしにするな。少しでも男の痛みを感じろ」
「うっ……」
とたん携帯電話がメールを受信した。
「メールが来たぞ。早く見た方がいいんじゃないのか?」
「へぇーい」
言われるがまま開いて見ると、やはり裕矢からだった。
-早速返信ありがとう!ごちそうした事なら気にしていないから安心して。また会ってくれるだけで嬉しいよ。都合が分かり次第連絡します。-
「ごちそうしなくていいみたいな事書いてありますよ。しなくていいんじゃないですか?」
「これはアタイからの修行だ。イヤならやらなくてもいいが、どうする?」
「えっ、修行なんですか?だったらします。修行ならやります!」
かくして裕矢との二回目のデートは強制的に決まったのであった。
 いつも通り登校し一講目を終えると、マアコ、ユカ、アミと一緒に談話室へ移動した。二講目の授業はないがお昼ご飯を食べるには早いので、学食が開く時間まで談話室で時間をつぶす事にした。
「あーマジ、かったるい!」
「半田の授業って、超ツマんないよね」
「ほんっとー!あれで天下の立洋館大卒業したってんだから、信じられない」
「ウソついてんじゃないの?実は立洋館大じゃなくて立洋『大』卒業でした!みたいな」








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