教えて!恋愛の女神様
『なるほど。じゃあ、さっそく言ってみます。「私は男運が良い!」』
『いいぞ、その調子だ!』
『私は男運が良い!イケメンでデキる男から告白されまくり。もー困っちゃう!』
『それ、もっと言え!』
『これ、なんかいいですね。気分が良くなる。がんばって毎日続けます』
すると突然、ロマンスは真面目な顔になった。
『一つ注意点がある』
『注意点?』
『そうだ。「男運が悪い」と、自分を卑下するような事を絶対言ってはダメだ』
『何でですか?』
『せっかく「男運が良い」と言った時の良いエネルギーが相殺されてしまうからだ』
『ああ、なるほど』
『十分気を付けるんだぞ』
『はーい』
元気良く手まで上げ返事した。
(危なかった!もう少しで『男運がない』って言うとこだった。せっかく良くなってきているのに、また逆戻りするとこだった!)
一人、こっそりホッとした。
「知佳、何?『男運が』の続きは?」
「すっごい、気になるんだけど。……もしかして、雑誌の占い特集とかでこれからの男運について良い事書いてあった?」
「あっ、えーと、そのー……うん、そうだね。言っていたかなぁ」
「何て言っていたの?ユカぁ、タカシ君と絶対結婚したいからぁー、知りたーい!」
「そ、そう?どうしようかな?」
「知佳、出し惜しみしないでよ。もしユカが玉の輿結婚したら、豪華なランチごちそうしてもらったり、有名人が集まるパーティーへ招待してもらえるかもしれないんだよ。そうしたら、私たちも玉の輿に乗れるかもしれないんだよ!」
「きゃーっ、ステキ!私も社長夫人になれるかも!」
マアコは三階まで響きそうな大きな声で言った。談話室にいた学生は全員迷惑そうな顔で見た。



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