教えて!恋愛の女神様
「そうしたら、毎日贅沢ざんまいよ!エステに海外旅行、私の誕生日にはホテルでみんなを呼んでパーティーね」
「もちろん、貧乏な友達は呼ばないわよ。貧乏が染るから」
「そうね、話も合わないだろうし。こっちは有名シェフのいるレストランでランチしているけど、貧乏人はせいぜいそこいらのファミレスに行くのが精一杯。服だってバーゲンの安物しか買えないだろうから、一緒にいるのが恥ずかしいよね」
「なんだったら、ユカのお古あげればいいんじゃない?社長夫人なら、どんどん新しいの買えるでしょ。クローゼットの整理にもなるし、好都合じゃない」
「わー、マアコちゃんナイスアイデア!エコロジーだし、いいかも」
「でも、私は人のお古とかイヤだな。お下がり着るくらいなら裸の方がマシ!」
「だよねー。やっぱ金持ちの男と結婚しなきゃダメね。私の価値まで落ちちゃう!」
ギャハハハハ!とアミ、ユカ、マアコは大声で笑った。するとほかの学生はますますイヤそうな顔になった。『うるさい!』と今にも叫びそうだ。しかし私は三人を止められなかった。つい先日まで同じ事をしていた手前、言うだけの資格がない気がした。ただ、あいそ笑いして見ているしかなかった。
 とたん、衝立の向こう、壁にくっつくよう置かれたコピー機を離れ誰かがやって来た。
「…………!」
なんと、澤田翔太だった。そして、コピー機のそばにはエリカもいて、『何が始まるのだろう』と興味深々なまなざしで見ていた。
 翔太は私たちのすぐ目の前に来ると、怒った顔で見た。私は『やっちゃったー!』と思いドキドキした。しかしマアコ、ユカ、アミは反省するどころか目がハートになった。
「キャーッ!カッコイイ!」
「ねえ、あなたどこの学部の人?」
「彼女いるんですかぁー?」
もちろん翔太は答えない。胸の前で腕を組むと、私たちをジロリと見た。
「君たちはそんな質問を俺にする資格があるのか?」
「もちろんですよぉー。女の子が男の子に興味を持つのは当然でしょ?」
「そうよ。特にイケメンなら大歓迎!今すぐお友達になりたいわ」
「断る」
「さっきから何怒っているんですかぁ?あっ、もしかしてぇ、教授に怒られちゃいましたぁ?私、なぐさめてあげますよ。こう見えて上手なんですからぁ」





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