教えて!恋愛の女神様
「表面に出るまで時間がかかる?」
「はい。大変申し上げにくいのですが……知佳さんはこれまでネガティブな行いをし過ぎているため、まずはそれを減らさなければいけません」
「どういうこと?」
「ちょっとわかりにくかったですね。そうですね……借金をし過ぎてしまったので、返済しないと預金を積極的にできないと言ったところでしょうか」
ガーン!私はショックで開いた口がふさがらなかった。うすうす気づいてはいたが、実際言われるとつらい。頭もボーッとなった。
「ああ!申し訳ありません。大丈夫ですよ。借金は確実に減っています」
「は、はい……」
「お気を確かに!」
しかし私はなかなか立ち直れない。『借金』の二文字がボディーブローのようにきいていた。
「大丈夫ですよ!ロマンス様はけっして知佳さんを見捨てたりしません」
「そうですか?」
「はい。なぜならロマンス様も、辛い恋を経験されているからです」
「そうなの?あんなに巨乳なのに?」
「本当のモテ道に胸の大きさは関係ありません」
「そうかなぁ。雑誌とかテレビとか色んなところに『オッパイが大きい方が良い』って書いてある気がしますよ」
「もしそれが本当なら、ロマンス様は身を切られるような辛い恋はされなかったはずです」
今井はしんみりした口調で言った。
「実は、ロマンス様はバツイチなんですよ」
「そうなの!」
「はい。初めて結婚されたのは、十五歳の時でした」
「早っ!」
「明治時代は、それが結婚適齢期だったのです」
「この百年で、ずいぶん晩婚化になったんですねー」
「ええ」
「ちなみに、ロマンスは恋愛結婚なんですよね?」
「いいえ、お見合いです」
「恋愛結婚じゃないの!」
「はい。お見合いですと紹介者である仲人によって相手の身元が把握されていますので、経済的にも人間的にも苦しむ可能性が低いと言うわけです」
「なるほどね。……じゃあなぜ離婚したの?」










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