教えて!恋愛の女神様
「それがですね……ご主人に好きな人ができてしまったんです」
「ええっ!」
叫んだのと同時に、私は胸が痛かった。以前付き合っていた彼には奥さんと子供がいて、別れさせようとしたから。
(本当に悪い事をしたよな。もうあんな事、二度としない!)
「ロマンス様はとても苦しまれました。お見合いがご縁で結婚した方ですが、日が経つごと愛を深め、一生添い遂げる気でいらっしゃいました。女のお子さんも一人、授かりましたし」
「なんか、悲しい……」
「ずいぶんお二人で話し合われたそうです。しかしご主人はどうしても好きになった方と結婚したいとおっしゃられて、泣く泣く離婚に応じたそうです」
「旦那さんは反省しなかったの?子供までいるのに」
「もちろん、土下座して謝ったそうです。お子様の親権を譲ることはもちろん、慰謝料としてかなりの額のお金も置いて行かれました。……ですが、捨てられるのは辛い事ですよね?『お金なんていらないから、戻って来て欲しい!』と思うでしょう?」
「はい、きっと思います」
「ロマンス様はそう思いながらも、恨んだりしませんでした。決して口に出しませんでした。別れの朝、笑顔で『幸せになってね』と送り出したそうです。ただ相手の幸運だけを願って」
「すごーい!捨てられたのに、相手の幸せを願うなんて!」
「はい、私もそう思います。そして、神々もロマンス様の思いに感動されました。約百年前、寿命をまっとうし空の上へ帰って来ると、『恋に悩む多くの人を救うため、これまでの経験を生かして、恋愛をつかさどる神様として尽力して欲しい』と仰せつかったのです」
「うわー、大役ですね!」
「はい」
今井は穏やかに笑った。
「いかがです?知佳さん。これでもまだロマンス様はご利益がなさそうですか?」
「いいえ、すごくありそうです」
私はちょっと考えると、今井に向かって頭を下げた。
「ロマンスを疑ってゴメンなさい。もう二度とご利益がないかもなんて思いません。だから、ロマンスには告げ口しないでください」
「もちろんでございます!私は知佳さんに反省して欲しくて来たわけではございません。ロマンス様が乗り越えられた物語を知ってもらい、必ず助けて下さると信じて欲しかっただけなんです」
「ええっ!」
叫んだのと同時に、私は胸が痛かった。以前付き合っていた彼には奥さんと子供がいて、別れさせようとしたから。
(本当に悪い事をしたよな。もうあんな事、二度としない!)
「ロマンス様はとても苦しまれました。お見合いがご縁で結婚した方ですが、日が経つごと愛を深め、一生添い遂げる気でいらっしゃいました。女のお子さんも一人、授かりましたし」
「なんか、悲しい……」
「ずいぶんお二人で話し合われたそうです。しかしご主人はどうしても好きになった方と結婚したいとおっしゃられて、泣く泣く離婚に応じたそうです」
「旦那さんは反省しなかったの?子供までいるのに」
「もちろん、土下座して謝ったそうです。お子様の親権を譲ることはもちろん、慰謝料としてかなりの額のお金も置いて行かれました。……ですが、捨てられるのは辛い事ですよね?『お金なんていらないから、戻って来て欲しい!』と思うでしょう?」
「はい、きっと思います」
「ロマンス様はそう思いながらも、恨んだりしませんでした。決して口に出しませんでした。別れの朝、笑顔で『幸せになってね』と送り出したそうです。ただ相手の幸運だけを願って」
「すごーい!捨てられたのに、相手の幸せを願うなんて!」
「はい、私もそう思います。そして、神々もロマンス様の思いに感動されました。約百年前、寿命をまっとうし空の上へ帰って来ると、『恋に悩む多くの人を救うため、これまでの経験を生かして、恋愛をつかさどる神様として尽力して欲しい』と仰せつかったのです」
「うわー、大役ですね!」
「はい」
今井は穏やかに笑った。
「いかがです?知佳さん。これでもまだロマンス様はご利益がなさそうですか?」
「いいえ、すごくありそうです」
私はちょっと考えると、今井に向かって頭を下げた。
「ロマンスを疑ってゴメンなさい。もう二度とご利益がないかもなんて思いません。だから、ロマンスには告げ口しないでください」
「もちろんでございます!私は知佳さんに反省して欲しくて来たわけではございません。ロマンス様が乗り越えられた物語を知ってもらい、必ず助けて下さると信じて欲しかっただけなんです」