教えて!恋愛の女神様
「疲れたでしょ?セミナーが始まれば遅れてくる人だけだから、すっごい暇だとおもうんだけど。様子を見て向かいにあるソファーにでも座って飲んで」
「はい、そうします」
私と裕矢はニッコリ笑って見つめあった。私の心は不思議なほど安らいでいた。
もらったジュースを机の下に置いたバッグにしまうと、再び受付をしようと前を見た。すると、一点を凝視し微動だにしない裕矢に気づいた。
「裕矢さん?」
しかし裕矢は反応しない。ずっと同じ方向を見ている。あんまりにもじっと見ているので何かあるのかと気になり、彼の視線を追った。
そこには、エスカレーターから降りて来た一人の男性がいた。身長は百七十センチくらい。五十代でやせ型、ロマンスグレーの髪はサッパリと短め。今風の細長いレンズのメガネの奥にある瞳はとても優しそうだった。グレーのスーツを着ている事から推測して、セミナー受講者と思われた。
男性は突然ハッとし笑顔になると、私の方へ向かって歩いてきた。
(えっ、誰?一回も会った事がないと思うけど……彼は会った事を覚えている?)
不安に心臓をドキドキさせていると、彼は途中で裕矢の方へ向かって歩き出した。
(あれ?)
「なんだ、ここだったのか!」
「父さんこそ、ここだったの?」
男性と裕矢は『ワハハ』と満面の笑顔で笑った。しかし私はびっくり!一瞬呼吸が止まった。
(『父さん?』裕矢さんのお父さん?って事は、翔太君のお父さんでもあるんだ!)
もし翔太と付き合うようになったら、彼の父親と会う事になるかもしれない。それが、こんなに早いタイミングでやってくるとは思わなかった。
「何時からセミナーが始まるんだ?」
「午前九時三十分。そろそろ始まるよ。父さんは?セミナーの講師をやるって母さんから聞いたけど」
「私は十時からだ。これから主催者と打ち合わせをするんだ。会場はハイビスカスだ」
「近いなー。隣の隣だよ。こんな事ってあるんだね」
「いや、息子のそばで仕事ができて嬉しいよ」
とたん、裕矢の父は私を見た。私は体をビクリと震わせた。
(き……緊張するー!)
「はい、そうします」
私と裕矢はニッコリ笑って見つめあった。私の心は不思議なほど安らいでいた。
もらったジュースを机の下に置いたバッグにしまうと、再び受付をしようと前を見た。すると、一点を凝視し微動だにしない裕矢に気づいた。
「裕矢さん?」
しかし裕矢は反応しない。ずっと同じ方向を見ている。あんまりにもじっと見ているので何かあるのかと気になり、彼の視線を追った。
そこには、エスカレーターから降りて来た一人の男性がいた。身長は百七十センチくらい。五十代でやせ型、ロマンスグレーの髪はサッパリと短め。今風の細長いレンズのメガネの奥にある瞳はとても優しそうだった。グレーのスーツを着ている事から推測して、セミナー受講者と思われた。
男性は突然ハッとし笑顔になると、私の方へ向かって歩いてきた。
(えっ、誰?一回も会った事がないと思うけど……彼は会った事を覚えている?)
不安に心臓をドキドキさせていると、彼は途中で裕矢の方へ向かって歩き出した。
(あれ?)
「なんだ、ここだったのか!」
「父さんこそ、ここだったの?」
男性と裕矢は『ワハハ』と満面の笑顔で笑った。しかし私はびっくり!一瞬呼吸が止まった。
(『父さん?』裕矢さんのお父さん?って事は、翔太君のお父さんでもあるんだ!)
もし翔太と付き合うようになったら、彼の父親と会う事になるかもしれない。それが、こんなに早いタイミングでやってくるとは思わなかった。
「何時からセミナーが始まるんだ?」
「午前九時三十分。そろそろ始まるよ。父さんは?セミナーの講師をやるって母さんから聞いたけど」
「私は十時からだ。これから主催者と打ち合わせをするんだ。会場はハイビスカスだ」
「近いなー。隣の隣だよ。こんな事ってあるんだね」
「いや、息子のそばで仕事ができて嬉しいよ」
とたん、裕矢の父は私を見た。私は体をビクリと震わせた。
(き……緊張するー!)