教えて！恋愛の女神様

ふと、疑問を抱いた。
　すると突然、携帯電話の着信メロディーが鳴った。メールを受信すると鳴るよう設定したものだ。デニムスカートの左ポケットに入れてあった携帯電話を取り出し見れば、メールを送って来たのは裕矢だった。
（何の用かな？……もしかしてもう『土曜日のお礼をしたいんだけど』って連絡してきたかな？それとも、食事をごちそうする日の相談かな？私のバイト代が入るのは木曜日だから、早くてもその昼じゃないとムリだって事は言ってあるけど。それとも、忘れたかな？それとも違う用事かな？）
アミ、ユカ、マアコの後ろをついていきながら考える。推測はあたっている気もするし、そうでない気もした。
　考えてもしょうがないので、ちょっとワクワク胸を躍らせメールを開いた。
（ビンゴ！）
裕矢からのメールには、『土曜日のお礼がしたいです。いつの夜なら都合がいいですか？』と書いてあった。
（『夜』って事は、夕飯をご馳走してくれるん事だよね？えーっ！どんな豪華なディナーをごちそうしてくれるのかな？フレンチ？イタリアン？それとも和食？）
男性にごちそうしてもらえると思うと嬉しかった。翔太の事は忘れていた。『できるだけ高い方がいいんだけどなー』と、失礼な事さえ思った。痛い思いをしたばかりなのに、アミ、ユカ、マアコにあてられ、彼氏自慢したくなってしまった。
　私は早速返信メールを打とうとメール作成のボタンを押した。するとまたメールを受信した。
（今度は誰かな？また裕矢さんかな？）
返信メールを打つのをやめ、受信したメールを開いた。
（へっ？）
そこには予想外の名前があった。
（ロマンス？な、何で？いつ、どこで私のメール・アドレス調べたの？）
ドキドキしつつメールを開けば、もっとドキドキする事が書かれていた。
-また同じ目に遭いたいのか？痛い思いをしたくなかったら、自分がごちそうし終わってからお礼を受け取れ。『私は何でもお見通し』だからな-
（ひぇーっ！どこで見ているの？神様だから透明人間にでもなってそばで私を観察している？）