教えて!恋愛の女神様
「うん。でも知佳ちゃんの姿が見えたから、仕事サボって来ちゃった」
裕矢はまっすぐ私を見た。私はドキッとした。見た目が落ち着いているだけに、そんな事を言うように見えない。心構えをしていなかったので、ダイレクトに衝撃を受けた。
ただ、やはり私の心は翔太に向いたまま。裕矢の気持ちを受け取れず、苦しくて目をそらした。
「俺に会うのはイヤ?」
「ま、まさか!」
裕矢がさびしそうに言ったので慌てて顔を上げると、彼は悲しげな眼で私を見ていた。
「裕矢さんに会うのは楽しいです。本当です!」
「口から出まかせじゃない?」
「もちろん!」
「よかった!今週の夜はずっと忙しいってメールに書いてあったから、俺に会いたくないのかと思って心配していたんだ」
「そんな事ないですよ。本当に色々と予定が入って忙しいんです」
『ロマンスに、ごちそうしてもらうのを止められた』とは言えなかった。
「今日、来月のバイトのシフトが出るんだよね?」
「はい。これで一か月の予定が立てられます」
「これで一か月、一緒に遊びに行く予定が立てられそうだね」
「そ、そうですね」
「行きたいところ、考えておいて」
「あっ、はい」
「じゃ、仕事に戻るよ。知佳ちゃんはバイト頑張って」
「はい、ありがとうございます」
裕矢は手を振って見送ってくれた。私は笑顔をひきつらせつつ手を振り、正門へ向かった。
胸に手を当てると、心臓がドキドキしていた。おととい、翔太に会った時もドキドキしたが、もっとドキドキしていた。
(私、どうなっちゃうんだろう?)
想像もつかない展開に、頭がついていかなかった。
「そのキャベツ、そんなに魅力的か?」
「えっ?」
「持ったまま、もう五分は経っている。ジロジロ見たいほど魅力的なのかと思ってな」
ロマンスに言われ、私はハッとして箸で持ったキャベツを見た。今日はバイト先のスーパーで買った『キャベツがあればできるホイコーロー』のセットを使って、夕飯のおかずに作った。プロの料理人とまではいかないが、なかなかおいしい。気に入って何度も作った事があり、いつもあっという間に食べた。
裕矢はまっすぐ私を見た。私はドキッとした。見た目が落ち着いているだけに、そんな事を言うように見えない。心構えをしていなかったので、ダイレクトに衝撃を受けた。
ただ、やはり私の心は翔太に向いたまま。裕矢の気持ちを受け取れず、苦しくて目をそらした。
「俺に会うのはイヤ?」
「ま、まさか!」
裕矢がさびしそうに言ったので慌てて顔を上げると、彼は悲しげな眼で私を見ていた。
「裕矢さんに会うのは楽しいです。本当です!」
「口から出まかせじゃない?」
「もちろん!」
「よかった!今週の夜はずっと忙しいってメールに書いてあったから、俺に会いたくないのかと思って心配していたんだ」
「そんな事ないですよ。本当に色々と予定が入って忙しいんです」
『ロマンスに、ごちそうしてもらうのを止められた』とは言えなかった。
「今日、来月のバイトのシフトが出るんだよね?」
「はい。これで一か月の予定が立てられます」
「これで一か月、一緒に遊びに行く予定が立てられそうだね」
「そ、そうですね」
「行きたいところ、考えておいて」
「あっ、はい」
「じゃ、仕事に戻るよ。知佳ちゃんはバイト頑張って」
「はい、ありがとうございます」
裕矢は手を振って見送ってくれた。私は笑顔をひきつらせつつ手を振り、正門へ向かった。
胸に手を当てると、心臓がドキドキしていた。おととい、翔太に会った時もドキドキしたが、もっとドキドキしていた。
(私、どうなっちゃうんだろう?)
想像もつかない展開に、頭がついていかなかった。
「そのキャベツ、そんなに魅力的か?」
「えっ?」
「持ったまま、もう五分は経っている。ジロジロ見たいほど魅力的なのかと思ってな」
ロマンスに言われ、私はハッとして箸で持ったキャベツを見た。今日はバイト先のスーパーで買った『キャベツがあればできるホイコーロー』のセットを使って、夕飯のおかずに作った。プロの料理人とまではいかないが、なかなかおいしい。気に入って何度も作った事があり、いつもあっという間に食べた。