キミがスキ
「ただいま…」
「おかえりぃ」
「ん…起きてるの珍しいな」
「瑠実さんがプリンくれたから」
プリンなんて世の中から無くなればいいのに。
何度思っただろう…
そんな事、口が避けても言えないけど
「なぁ」
「ん?」
「元カレってどんなヤツ?」
「元カレー?インドの?」
「いや…お前の昔の彼氏」
言ったのは自分のクセに、なぜか胸がチクリと痛む。
黙る彼女の目は漫画を捉えていなくて、些細な嫉妬が積み重なる。
「言いたくないならいい…」
「昔ってどれくらい?」
「へ??」
記憶にもない元カレ、ご愁傷様…
「うーん…高校の時に仲良かった男子は居たけど、彼氏じゃなかったよ」
「つーことは…彼氏が居なかったのか」
「うん」
彼氏が居ない。
ずっと?
と言うことは…
俺が初カレ?