キミがスキ
「でも、特別なのはいたよ」
まさかのドンデン返しで、教会の鐘が除夜の鐘に瞬時に変わった。
「へ、へぇ~。どんな?」
「真っ白でー」
ロマンスグレーの素敵なオジサマ?!
「大きくて」
何が?!
ねぇ、何が?
「超うまかった」
何したの?!
てか、何されたの?
「二回だけだったなぁ」
たった二回で?!
それだけで特別になれるのか…
それを聞いた時、ますます嫉妬にかられたけど、過去の思い出以上の物にはならなかった。
彼女が初めて真面目に話す姿、俺に向き合ってくれてる気がしたから。
「そか…」
「うん…」
「眠い?」
「…ん」
「おやすみ」
それにしても、あのイケメンは何をどう勘違いしたのか…
マイペースな彼女に振り回されただけ?