キミがスキ

「でも、特別なのはいたよ」






まさかのドンデン返しで、教会の鐘が除夜の鐘に瞬時に変わった。





「へ、へぇ~。どんな?」


「真っ白でー」




ロマンスグレーの素敵なオジサマ?!




「大きくて」





何が?!

ねぇ、何が?





「超うまかった」





何したの?!

てか、何されたの?





「二回だけだったなぁ」





たった二回で?!


それだけで特別になれるのか…



それを聞いた時、ますます嫉妬にかられたけど、過去の思い出以上の物にはならなかった。

彼女が初めて真面目に話す姿、俺に向き合ってくれてる気がしたから。






「そか…」


「うん…」


「眠い?」


「…ん」


「おやすみ」








それにしても、あのイケメンは何をどう勘違いしたのか…


マイペースな彼女に振り回されただけ?

< 14 / 41 >

この作品をシェア

pagetop