キミがスキ
「で、何か用すか?」
「何か用あるのはお前だろ。メールで殺すだの死ねだの送って来たじゃん」
「証拠なんてないっしょ?」
「サブアドだったしな」
「俺じゃないっすね。残念。つか、帰っていいっすか?彼女に電話しなきゃ寂しがるんで」
ナイフまで出して手を切りつけながら、空き地に来てもなお、知らないフリを押し通す気らしい。
「彼女?」
「俺の為に身体守ってるんすよ。彼女」
「で?」
「だから、店長目障りなんすよね。消えてくれないっすか」
「じゃ、殺せば?」
「…っ」
向かって来た拳を交わし、頬に拳を思いっきり当て、怯んだ隙に足元を蹴り上げる。
相手は見事に地面に伏せ、苦しみながら涙目に見上げていた。
「どうする?まだやる?」
「…ろす」
「ん?聞こえない」
「…ぶっ殺す」
「出来るといいね」