キミがスキ
久々のパンチは効いただろうし、立てるワケがない。
ヤツは必死に立とうとしてる所に追い討ちをかける。
「取りあえず、警察には全部言ったから」
「はぁ?!」
「証拠もあるし、警察は規制法適用するって」
「…ざけんなよ!」
「お前に怪我させられてるし、規制法適用だけじゃ済まないかもな」
「…えよ」
「ん?」
「勝手に言えや!」
「彼女がそれを選ぶならな」
「…」
「言わなくても分かれ。どうする、まだやる?警察行く?」
「…よ」
「あ?お前いい加減にしろよ。まだ殴られたい?」
「もうどうにでもしろよ!」
「最初からそう言えや!
俺、面倒なこと大嫌いなの。こう見えても平和主義だから。
取りあえず念書にサインな。んで、会社辞めて飛ばされて。
じゃ、お休み」
こうしてストーカーは福岡に飛ばされ、二度とこの街に戻ってくることはなくなった。
そして、あの護身用の釣竿袋は日の目を見ることもなかった。