キミがスキ
「何作ってるの?」
「特級のプリン」
それでも彼女は変わらず、風邪も良くなったせいか更にパワーアップしている。
いったい、この元気はどこから来るのか…
「ただいま。…ねぇ、凌…これ飲んだの?」
「ん~?湊ちゃんお帰りぃ」
キッチンに行くと彼女はブランデーのボトルを抱えて眠そうな目をしていた。
いや、完璧に目が据わっている。
「部屋行って寝よ、な」
「いやっ」
「もう12時だよ?」
「だからなに」
完全な酔っ払いだ…
「寝る時間だろ。行こ?」
「…名取て誰」
「なに言ってんだよ…うちの従業員だろ」
「好きってなに」
「…」
「私は……私は名取さんより、ずっ…」
うなだれるように顔を伏せる彼女。
まさか…寝た…?
「凌?」
「…っと、好きだったもん……ずっ…と前から…」