キミがスキ


酔っ払った次の日





「おはよ」


「おはよー…」


「大丈夫?」


「ん?」



「なんでもないよ」


そう言いながら、湊ちゃんが頭を撫でて笑うのが不思議で

見事に記憶をなくしたことに気付く。






「もうプリンは作るなよ。今日から出張行くから、帰ってきたら作ってやる」



「プリン?」


「うん。お前は作るな、絶対。…そろそろ出ないと、電話するな」


「行ってらっしゃーい」






なんか

とんでもない醜態を見せた気がするけど…


覚えてないし

まぁ、いっか





そうしてまた元の日常に戻った。

湊ちゃんは出張へ行ってからも電話やメールを欠かさずにして来る。



離れてるのには慣れて居たのに

なんだか寂しくて


1日、1日が気持ちを重ねて行く






「明日の夕方には帰れるよ。そうだ」


「ん?」


「明日、花火大会だろ。一緒に見ような」


「うん」





そんな些細な約束が嬉しくて

幸せを感じる

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