キミがスキ


「出来た。リボンの形にしといたから」



そう言って目の前で笑う彼女
その顔は羨むくらい可愛く映った。



アタシはこの人の何を見てたんだろ…


表面ばかりに気を取られて、本当の部分を見落としてた。



バカだな…アタシ






「あの…」


「…ごめんね」


「…え」


「あんなコトするつもりじゃなかった…でも止まらなかったの…ごめんね」



「…そんな…アタシは…」







バカだよ…アタシ

彼女にヤキモチ妬かせて

謝られて…




彼が彼女を大事にする理由が

今になってやっと分かった。



全てを知って居ながら

自分がしたコトだけを謝るなんて

アタシには出来ないよ…







「もうすぐ始まっちゃうね。花火大会」


「あ…ありがとうございます…」


「私も浴衣着なくちゃ。似合わないけど」




照れ笑いする彼女はやっぱり可愛く見えて

その顔にさせてるのは、彼だと思うと胸の傷が少しだけ和らいだ気がする。

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