キミがスキ


「じゃぁまたね」


「じゃぁ…また」






アタシの恋は

始まりもなく

終わりもない


憧れの延長で

突っ走ってしまっただけ



胸が痛むのは

躓いてしまったから



アタシが見落とした


小さな

小さな石ころ



いくつも躓いて

そのうち大人になれたらいいな…







彼女を見送ったあとでぼんやりとしていた。

柔らかな風が吹いていて、橋のほうには人集りが出来て、誰もが空を見上げている。



その時

小さな光線が空に向かい

星に届きそうな位置で弾けた


空で散る花

残る煙り


火薬の匂いが風に乗って微かに鼻に届く



見とれていると、彼が慌てながら走って来て
アタシは思わず隠れる。



弾ける音が間隔を開けて聞こえて


振り向いた時には幾つもの小さな光線が飛んで

ハラハラと散ってゆく





バイバイ。



アタシはそう呟いて歩きだした。

待たせてる人の元へ…

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