キミがスキ
「ただいま。あれ…凌~?」
約束は絶対守るはずの彼女が部屋に居ない。
花火も上がり始めてるのに、どこ行ったんだろ…
取りあえず、シャワー浴びることにして、そのあとで探そう。
そう思い、シャワーを上がり、着替えてビールを持った時
ベランダで浴衣を着た彼女が振り向く
「お帰り。お疲れ様」
「ただいま…」
浴衣を着てるせいか、いつもと違って見える。
いや
違って見える。と言うより、違う。
いつもならボケてくるはずなのに、それすらない。
突拍子もないのは彼女特有だが、余りにも意表過ぎる。
どうしたんだろ…
胸の中で小さなざわめきが起き始めた。
「凌?」
「ん?」
「寂しかった?」
「うん…」
「俺も」
やっぱり
いつもの彼女じゃない。
離れてる間に違ってしまうほど
そんな心境の変化なんてあるのかな…