キミがスキ
「ずっと前…?」
彩りの花火が彼女の横顔を照らして
瞳の中にはきらびやかな光りが瞬いていた。
その瞳から光りが消え、空の色を映し出す。
黒とも
青ともつかない
彼女はそんな瞳をそっと伏せて、ゆっくりと開いて笑う。
「覚えてないよね…さすがに」
「そんな前…?」
「そうだよ」
「いつ?」
「17の時」
まるで合図したみたいに
花火が上がって
スクリーン一面に広がるみたいに
その時を刻むように
数え切れないほどの
眩い花火が弾けた
弾ける音の中
遡る過去の映像
そこには彼女が居た。
「気付くワケないじゃん…つか、おせぇし…」
イタズラに笑って見せる彼女
こんなに彼女を愛しいと思う俺は
やっぱりアホかな?