キミがスキ
「タバコ切れたから買ってくる」
「プリンも?」
「プリンは違う店。待ってて」
そのキッカケで俺は彼女の事が気になった。
けど、なんの進展もなく、たまにラーメン屋に行くだけ。
食べた後はその場でバイバイ。
話す事は勿論、メールや電話も数える程度。
これって食友達とかってヤツ?なんて思い始めた頃
「俺とお前のっ…誰だろぅ~」
「ダイゴロウな。つか、手、震えてんじゃん。戻しなさい」
バレンタインの日、彼女は大きい焼酎ボトルにチロルチョコを目一杯詰めたのを渡して来た。
手紙もない、言葉もない贈り物。
可愛げねぇー。なんて思ったけど
目一杯のチョコの中、明らかに包み直した感じのチョコを見つけて、探し出したら4つあった。
「湊ちゃん、チロルチョコ買っていぃ?」
「10個な」
その4つに何が隠されてたのか
それは俺だけの秘密。