不似合いカップル!?
【海翔side】

 本気ではなかった。本気な訳ねぇ…。出来れば奈緒にずっと傍にいてほしかった。
 それじゃあ奈緒は幸せになんてなれねぇかもしれねぇ。

 必死に俺の言った別れを考え直させようとする奈緒の姿に少し期待してしまった。

 -あれから2ヵ月ー

「おいっ! 海翔お前いつまで、こうしてるつもりだ!?」

 いきなり希一が声を上げた。

「あぁ? いつまでって何だよ?」
「奈緒ちゃんの事!」
「俺には関係ねぇ!!」

 そうだ。俺にはもう関係無い。
 アイツが元カレとより戻そうが関係ねぇんだ。

「奈緒ちゃんがどんな気持ちでお前を待ってると思ってるんだよ!」

 俺を待ってる…? ダメだ。期待すればするほど愛しくて仕方がない。

「奈緒は…元カレとより戻した方が幸せだ…」

 そう吐き捨て教室を出た。
 奈緒と別れてから学校の女共が付きまとってくるようになった。

「海翔君! 田辺さんと別れたんでしょ?? 私と付き合わない?」
「ダメよ! 私と付き合うの!」

 中庭のベンチで女共に囲まれていると、そこに奈緒が通りかかった。
 自然に目で追いかけてしまう。ダメだな、未練がましいじゃねぇかよ俺。

「海翔ー! いつデートする??」
「私が先よ! 海翔、遊園地行こうー!」
「あぁ…」

 し、しまった! いつものノリで口が滑った!

「やったー! じゃあ日曜日ね♪」
「私達も行って良い??」

 あぁー、もうどうでもいいや。
 奈緒の事も考えるのは止めよう。
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