絶対カレシ
「おばさん…もう高3なんだから
ちゃん付けやめてよぉ」
「あら、なに照れてるのかしらこの子」
「ばっ…照れてねぇよ!」
宮野とあたしのかあさんは昔からそう。
かあさんは、宮野をいじるのが
日課になっていた。
「うそぉ!この人が平井のかあさん?」
後ろの奴が言った。
「あらっ、今日はお客さんが多いのね!
5人も…」
「おう、夏目のおばさんは特別綺麗なんだ」
「まじかよ!いや、かなり美人じゃん」
「あらー、嬉しい事言ってくれるじゃなーい」
「あーはいはい、早くみんな上あがって!
お菓子もっていくから先いって」
はぁ…まったく
美人だの綺麗だのうるさいんだから…
「夏目ーーー?お菓子もっていきなさーい」
「はーーーい」
んもう…ご機嫌よくなっちゃって。
ん…開かない…
「誰かあけてー」
…無反応
ガチャ
「ったく…開けらんねぇのかよ」
「しょうがないでしょ!重いんだから」
なんてゆー生意気な奴…
「はいよ、自分で好きなの食べて」
はぁ…なんかこれだけで疲れた。
「なに怒ってんの?」
「別に怒ってないし…」
ただ疲れただけ…
「おいで?」
ドキッ…
「い言われなくてもいくよ!」
ドキッ…って何…
変な気持ちのまま宮野の隣に座った。