キミの隣で笑おう【完結】
俺を見上げて、涙目になっている美恋。
自然と上目遣いになるそれから、目を逸らして男に視線を向ける。
「すみません。こいつ、俺のなんで」
「チッ、男連れかよ」
そう言って、さっさと離れていく男。
それを見ていると、妙に視線を感じて美恋を見た。
案の定、視線は美恋からのもの。
「何?」
「え、あ……そ、蒼が!“俺の”とか言うから…」
だんだん小さくなる声と共に、美恋は俯く。
小さくてもしっかりと聞こえたそれ。
「あ、ごめん。ああ言った方が追い払うの楽だと思って」