キミの隣で笑おう【完結】
「顔上げろよ。人が話してる時ぐらい顔見ろ」
「……」
「おい、こっち向けって」
「…やだ…」
「何でだよ。さっさと上げ…て、え……?」
蒼の手があたしの顎を掴んで無理矢理上げる。
あたしの顔を見て、呆気にとられたような蒼の表情。
今日、あたしが初めて見た蒼の顔は、怒り顔でも大好きな笑顔でもなくて。
そんなバカみたいな顔も好きだなんて思っちゃうあたしは、とっくに末期だ。
「だから…っヤダって言った、じゃん……」