キミの隣で笑おう【完結】
イライラしながら、そう言い放つ。
「いいから返事しろや」
「な、に…」
そうやっと返事が返って来たのと同時に、俺は美恋の肩を掴んで体ごとこちらを向かせた。
だけどその表情は俯いていて見えない。
「何で今日先行ったんだよ、いつもは俺が起こさなきゃ起きない癖に」
一向に顔を上げない美恋に余計にイライラが募る。
「顔上げろよ。人が話してる時ぐらい顔見ろ」
「……」
「おい、こっち向けって」
「…やだ…」
「何でだよ。さっさと上げ…て、え……?」
無理矢理顔を上げさせて、驚いた。
だって、美恋が…
――泣いてたから。