キミの隣で笑おう【完結】




空は“コレ”…美恋の鞄を俺に突き出す。


多分…それを美恋の家に届けろってことなんだろう。


でも…俺、コレを美恋に届けてどうするんだよ?




確かに、俺は美恋が好き。


でも、あいつにとって俺はきっとただの幼なじみで。


美恋は俺の兄貴の洸が結局の所好きなんだって、俺は思ってる。


そんな俺に、何ができる?


どうすれば、美恋の笑顔が見れる?




「はい蒼、トリップ終了。戻ってこい」


「ん?あぁ…で、何だっけ?」


「だから、“コレ”を美恋ちゃんに届けてって話。てかさっさと受け取ってよ」




空はそう言って、鞄を俺に押し付ける。


けど、それを素直に受け取れないのは、美恋が好きだから。


美恋が好きなのに泣かせてしまった、後ろめたさからなのかもしれない。



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