キミの隣で笑おう【完結】
「……遅い」
遅れて来たあたしに、知那はその一言を浴びせる。
そりゃあ、怒るのはわかる。
だって、待ち合わせの時間から10分以上遅れてる。
しょうがないじゃん!!
この駅広くて、ここまで来るのに凄い時間かかったんだから!
なんて、遅れて来たあたしが言えるわけも無く。
「ごめんってー!」
と、ずっと知那のご機嫌を取ることになる始末。
有り得ない。
…けど、知那って扱いやすい子だから。
「知那の好きなケーキ奢るからさっ♪」
“ケーキ”と言う単語にピクッと反応を見せる知那。
「そこまで言うなら…許してやらないことも無いけど??
まぁー、あたしは心広いからー。許すもなにも、当たり前だけど!」
…調子いいヤツ。